更新日: 2021.11.02 国民年金

年金受給者の「扶養親族等申告書」。届く人と届かない人がいるのはなぜ?

執筆者 : 新井智美

年金受給者の「扶養親族等申告書」。届く人と届かない人がいるのはなぜ?
年金受給者には、毎年9月下旬頃に「扶養親族等申告書」が届き、内容を記入して提出する必要があります。
 
しかし、この「扶養親族等申告書」は年金受給者全員に届くわけではなく、届く人と届かない人がいます。その違いはどのような理由によるものなのでしょうか。

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新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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年金受給者の扶養親族等申告書とは?

老齢基礎年金もしくは老齢厚生年金などといった公的な老齢年金受給者に対しては、その年金額は雑所得として取り扱われます。したがって、その額が所得税の課税対象となる方に対しては、扶養親族等申告書の提出が求められます。
 
公的な老齢年金を受給している方は、この「扶養親族等申告書」を提出することにより、配偶者控除をはじめとした各種控除の適用を受けることが可能となります。逆にいえば、この扶養親族等申告書を提出しないと各種控除の適用を受けることができなくなることから、課税対象となる方にとっては非常に大切な申告書であるともいえます。
 

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年金受給における課税対象者とは?

では、公的な老齢年金を受け取っている方の中で、課税対象者となるケースはどのようなものなのでしょうか。日本年金機構の公式サイトによると、以下のとおり定義されています。
 
受け取る老齢年金の額が以下に該当する方
 

1.65歳未満の方は108万円以上
2.65歳以上の方は158万円以上

 
このように、年齢によって金額が異なりますので注意が必要です。
 
(出典:日本年金機構「「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」とは」(※1))
 

扶養親族等申告書の提出が必要となる人とは?

上記で述べたとおり、所得税の課税対象となる方には「扶養親族等申告書」が送付され、要件に充てはまる場合においてはその提出が必要です。提出が必要となる要件は以下のとおりです。
 

1.控除対象となる配偶者および扶養親族がいる場合
2.控除対象となる配偶者および扶養親族がいない場合で、本人が「障害者」「寡婦」「ひとり親」に該当する場合

 
<扶養親族等申告書の記載内容>
扶養親族等申告書には、本人の「障害区分」や「寡婦」なのか「ひとり親」なのかを記載するほか、本人の所得、そして控除対象となる配偶者や扶養親族の情報などを記載して提出することとなっています。
 

併せて覚えておきたい、所得控除の改正点

所得控除に関しては、税制改正によって2021年分以降以下のように変更されます。該当する方は、その変更内容についても併せて確認しておきましょう。
 

■寡婦(寡夫)控除の改正について

課税対象となる公的年金受給者にとって、寡婦(寡夫)控除の改正内容はかなり影響があるのではないでしょうか。まず、適用要件は以下のとおり改正されています。
 

1.本人の所得見積額が500万円を超える場合は、適用対象外となる
2.子どもがいる方については、婚姻歴がなくても適用対象となる
3.住民票の続柄の欄に「未届」の夫もしくは妻、または同様の記載がある場合は適用対象外となる

 

■控除区分による控除額の変更

受給者本人が独身の方や、配偶者の生死が不明な場合で、要件に当てはまる場合は、「寡婦」または「ひとり親」の控除を受けることができます。この控除額が、2021年分より改正されています。
 

(引用:日本年金機構「大切なお知らせ」より抜粋(※2))
 
ちなみに今回の改正により、これまでの区分が「寡婦」「特別寡婦」「寡夫」の3種類だったものが、2021年より「ひとり親」と「寡婦」の2種類となっています。また、上で説明したとおり、住民票の続柄の欄に「未届」の夫もしくは妻、または同様の記載がある場合は適用対象外となっていますので注意が必要です。
 

まとめ

2022年分の扶養親族等申告書については、9月下旬より発送されているので、お手元に届いている方もいらっしゃるかもしれません。届いた場合は、速やかに内容を記載し、提出するようにしてください。
 
提出の際には、同封されている封筒を利用し、切手を貼付のうえ郵送で行うことになっています。ちなみに、翌年の1月中旬までに提出が確認できていない方については、2月上旬より再度発送されることとなっていますので、提出を忘れていた場合も速やかに記入し、提出するようにしましょう。
 
扶養控除等申告書は年金から源泉徴収される所得税について、各種控除を受けるための大切な書類です。そのことを忘れないように、送られてきた扶養親族等申告書は記入漏れのないよう確認し、提出してください。
 
出典
(※1)日本年金機構「「令和3年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の送付」
(※2)日本年金機構 大切なお知らせ「扶養親族等申告書の提出をお願いします」」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員