更新日: 2021.11.05 その他年金

10月からの年金の振込額が少なくなったのはどんな人?

執筆者 : 柘植輝

10月からの年金の振込額が少なくなったのはどんな人?
10月に入ってから年金の振込額がいつもより少なくなった。そういう方はいらっしゃいませんか?
 
なぜ、年の途中である10月から年金の振込額が少なくなったのでしょうか。10月から年金の振込額が少なくなってしまったのは、どんな人なのか解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

10月から年金の振込額が減るのは税金額などが変化したから

国から支給される公的年金は、給付が開始された時期などによっては、住民税などが特別徴収で差し引かれた分が振り込まれます。近いイメージとしては、会社員の給与から住民税などが天引きされるようなものです。
 
10月からは、その特別徴収によって引かれる内容や金額が変化したため、年金の振込額が少なくなるということが起こるのです。10月から年金の振込額が少なくなった人に該当する例として、次のようなケースがあります。
 

介護保険料が上がった人

介護保険料は、4月から8月までは仮の金額で算出されています。そして、その仮の金額を基に確定した金額が、10月以降の年金額から特別徴収されるという仕組みになっています。
 
そのため、不動産の売却や金融商品の配当など、年金以外の収入が増えているという人は、介護保険料が上がり、年金の振込額が少なくなってしまうことがあります。
 

住民税の特別徴収1年目に当たる人

年金を受け取り始めたばかりの場合は、まだ特別徴収が始まっておらず、住民税を普通徴収の方法で納めていることでしょう。この住民税の普通徴収が特別徴収に切り替わるタイミングが、ちょうど10月に当たります。
 
年金の受給開始後で、住民税の特別徴収が1年目に当たる人は、10月から振り込まれる年金額が少なくなります。
 

国民健康保険税の特別徴収1年目に当たる人

国民健康保険税についても住民税のように、年金を受け取り始めたばかりの場合、普通徴収と特別徴収の切り替わりのタイミングが10月になります。そのため、年金の受給後に国民健康保険税の特別徴収が開始されるような人は、10月から年金の振込額が少なくなる場合があります。
 

所得税の特別徴収1年目に当たる人

所得税が発生する場合、住民税や国民健康保険税のように、年金を受け取り始めたばかりで所得税の特別徴収1年目に該当すると、10月から所得税が特別徴収されることがあります。
 

年金振込通知書も確認しておく

年金振込通知書とは、口座振替で年金を受け取っている人に対して毎年6月に支払額を知らせるはがきですが、年金の振込額に変更があった場合にも、その都度送られてきます。
 


出典:日本年金機構 「令和3年10月の年金の振込にかかる年金振込通知書を送付しています」
 
年金振込通知書に記載されている振込額と実際の振込額が異なっている場合、年金の振込額が間違っている可能性もあります。
 
年金振込通知書を確認するとともに、振込額と通知書の金額が異なっている、または年金の振込額が変化したのに年金通知書が届かないという場合は、速やかに最寄りの年金事務所へご確認ください。
 
また、最近では年金振込通知書の記載が間違っているという問題も発生しました。年金通知書の内容については必ず確認するようにしてください。
 

10月は年金の振込額が少なくなることがある月です

年金は所得税や介護保険料をはじめ、一部の税金などが特別徴収されるようになっています。ただ、最初はそれが普通徴収であるところ、10月から特別徴収に切り替わったり、金額が変化するため、人によっては10月から年金の振込額が少なくなります。
 
10月から急に年金の振込額が減少しても慌てず、他に心当たりがないか、年金振込通知書の記載内容を確認するようにしてください。
 
出典
日本年金機構 令和3年10月の年金の振込にかかる年金振込通知書を送付しています
日本年金機構 年金振込通知書の印刷誤りについて
三鷹市 よくある質問
羽島市 国民健康保険税の特別徴収(年金天引き)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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