更新日: 2021.11.09 国民年金

大学時代の国民年金保険料の支払い猶予。追納しなければ将来受け取れる年金額はどのくらい減るの?

大学時代の国民年金保険料の支払い猶予。追納しなければ将来受け取れる年金額はどのくらい減るの?
学生時代、国民年金の保険料について納付の猶予を受けていた方や、在学中で猶予を受けている、あるいは今後猶予の申請をしようとしている方にとって、猶予されていた期間の保険料が将来の年金額にどのくらい影響するのかは気になるところではないでしょうか。
 
学生時代に猶予されていた年金保険料を追納しなかった場合、年金額がどう変わるのか見ていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

国民年金保険料の学生納付特例制度とは

日本では20歳以上であれば国民年金に加入し、保険料を納付する義務があります。ただし、学生については学生納付特例制度により、本人の所得が一定以下の場合、申請に基づき在学中の保険料納付の猶予を受けることができます。
 
・学生納付特例制度の対象となる所得基準(令和3年度)
128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等

 
学生納付特例制度によって保険料の納付を猶予された期間は、年金の受給資格期間として計算されますが、実際に受給できる年金額には反映されないため、猶予期間の保険料については後から追納しない限り、期間に応じて将来受け取れる年金額が減少してしまいます。
 
令和3年4月以降の国民年金の支給額は、全ての加入期間(480月)の保険料を納付した場合、満額の年78万900円となっています。
 


出典:日本年金機構 「老齢基礎年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)」
 

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猶予によって減少する年金額はどれくらいか

猶予を受けたことによって、実際に年金額がどれくらい減少するのか確認してみましょう。
 
例えば一般的な4年制大学の学生の場合、学生納付特例の適用によって国民年金保険料の納付猶予を受けるのは、20歳から卒業する22歳までの2年間となるケースが多いでしょう。
 
仮に大学生のときに2年間(24月)保険料を猶予されていて、その後、追納をしなかったとすると、国民年金の全加入期間480月のうち、保険料を納めたのは456月となり、将来受け取れる年金は74万1855円に減額されます。
 
誕生日の関係上、20歳になってから就職するまで必ずしも2年間というわけではないため、実際に減額される分は上記の金額より少ないこともありますが、満額の年金に対して最大で年間3万9045円、1ヶ月当たりでは約3253円の減額です。
 

保険料の追納とは

国民年金は、保険料納付の猶予や免除を受けている期間について、10年以内であれば、その間の保険料に後から納付することができます。この仕組みを追納といいます。ただし、猶予期間の翌年度から3年目以降に追納する場合、一定の加算額が発生することに注意してください。
 


出典:日本年金機構 「国民年金保険料の追納制度」
 

保険料の追納はするべきなのか

1つ疑問となるのが、結局、学生時代に猶予を受けた国民年金の保険料は必ず追納すべきなのかという点です。
 
この点に関してはケース・バイ・ケースにはなりますが、余裕があるときに追納しておく程度でよいのではないかと思います。
 
2年間猶予を受けていたとしても、その期間は年金の受給資格を判定する際には保険料が納付されたものとしてカウントされることや、減少する金額も一定の範囲にとどまっているからです。
 
また、将来的には年金の受給開始年齢や支給額が変化することもあり得ますし、人によっては投資などで老後に向けた資産形成を図る場合もあるでしょう。
 
そのため、学生時代に猶予された保険料の追納については、10年以内の期限があることを念頭に置きつつ、状況に応じて無理のない範囲で考えれば十分ではないでしょうか。
 

まとめ

国民年金の保険料の納付について、大学時代に2年間猶予されていた場合、将来減少する年金額は年間3万9045円となります。この金額を大きいととらえるか、小さいととらえるかは個人次第です。
 
もし将来、少しでも年金を多く受け取りたいという場合は、保険料の追納について早めに考えてみてください。
 
出典
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 老齢基礎年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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