発達障害も障害年金が支給される? 障害等級と判定の基準とは

配信日: 2021.11.09

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発達障害も障害年金が支給される? 障害等級と判定の基準とは
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。
 
障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、病気やけがで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
 
障害の程度によって支給額が異なりますが、身体障害や視覚・聴覚障害だけではなく、発達障害についても基準に該当すれば障害年金が支給されます。以下、詳しく見ていきましょう。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

発達障害とは

まず、発達障害とは何かを確認してみます。
 
発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音(きつおん)などが含まれます。
 
これらは、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通しています。同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、いくつかの発達障害を併せ持ったりすることもあります。
 

(1)自閉スペクトラム症とは

コミュニケーションの場面で、言葉や視線、表情、身ぶりなどを用いて相互的にやりとりをしたり、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手です。
 
また、特定のことに強い関心をもっていたり、こだわりが強かったりします。また、感覚の過敏さを持ち合わせている場合もあります。
 

(2)注意欠如・多動症(ADHD)とは

発達年齢に比べて、落ち着きがない、待てない(多動性-衝動性)、注意が持続しにくい、作業にミスが多い(不注意)といった特性があります。多動性−衝動性と不注意の両方が認められる場合も、いずれか一方が認められる場合もあります。
 

(3)学習障害(LD)とは

全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の学習のみに困難が認められる状態をいいます。
 

(4)チック症とは

チックは、思わず起こってしまう素早い体の動きや発声です。まばたきや咳(せき)払いなどの運動チックや音声チックが一時的に現れることは多くの子どもにあることで、そっと経過を見ておいてよいものです。
 
しかし、体質的にさまざまな運動チック、音声チックが1年以上にわたり強く持続し、日常生活に支障をきたすほどになることもあり、その場合にはトゥレット症とよばれます。
 

(5)吃音とは

滑らかに話すことができないという状態をいいます。音を繰り返したり、音が伸びたり、なかなか話し出せないといった、さまざまな症状があります。
 

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障害等級と判定の基準

次に、障害等級と判定の基準について確認してみます。障害年金が支給される障害の状態に応じて、法令により、以下のように障害の程度が定められています。
 

(1)障害の程度1級

他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。
 
身のまわりのことは辛うじてできるものの、それ以上の活動はできない方 (または行うことを制限されている方)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲 がベッドの周辺に限られるような方が、1級に相当します。
 

(2)障害の程度2級

必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。
 
例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできても、それ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方が2級に相当します。
 

(3)障害の程度3級

労働が著しい制限を受ける、または、労働に著しい制限を加えることを必要とするような状態です。日常生活にはほとんど支障はないが、労働については制限がある方が3級に相当します。
 
なお、障害の程度3級は厚生年金保険のみが支給対象となります。
 
出典
日本年金機構「障害年金」
日本年金機構「障害年金ガイド 令和3年度版」
日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
厚生労働省「発達障害」
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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