更新日: 2021.11.15 その他年金

年金振込通知書のどこを見ると、介護保険料の特別徴収額が分かる?

執筆者 : 杉浦詔子

年金振込通知書のどこを見ると、介護保険料の特別徴収額が分かる?
年金を受給している方には、毎年6月に「年金振込通知書」が送付され、1年分の年金支払額などを知ることができます。この年金振込通知書のどこを見ると、年金から天引きされる介護保険料額を確認できるのでしょうか。
杉浦詔子

執筆者:杉浦詔子(すぎうらのりこ)

ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

「働く人たちを応援するファイナンシャルプランナー/カウンセラー」として、働くことを考えている方からリタイアされた方を含めた働く人たちとその家族のためのファイナンシャルプランニングやカウンセリングを行っております。
 
2005年にCFP(R)資格を取得し、家計相談やセミナーなどのFP活動を開始しました。2012年に「みはまライフプランニング」を設立、2013年よりファイナンシャルカウンセラーとして活動しています。
 

年金振込通知書とは

「年金振込通知書」は、金融機関などの口座振込で年金を受け取っている方に対して年金保険者(日本年金機構や各共済組合)から毎年6月に送られてくるはがきで、6月から翌年4月(2ヶ月に1回)まで毎回支払われる年金額を知らせるものです。
 
この年金振込通知書は、年金受給額が改定になったときに加えて、年金振込額や受取金融機関に変更があった場合にもあらためて送られてきます。
 

年金振込通知書に記載されている内容

年金振込通知書は、年金改定通知書と年金振込通知書が一体になったものが届く場合もありますが、いずれも「年金振込通知書」欄には、支払われる年金額や年金から特別徴収(天引き)される保険料、実際に振り込まれる年金額などが記載されています。
 
ここでは以下のサンプルを用いて記載内容を確認します。
 
●年金振込通知書

出典:日本年金機構 「年金振込通知書」
 
右面の「年金振込通知書」にある「各支払期の支払額、年金から特別徴収(控除)される額および控除振込額」の項目を、上から順にチェックしていきます。
 

・年金支払額

1回に支払われる控除前の年金額です。
 

・介護保険料額(※)

年金から特別徴収(天引き)される介護保険料額です。
 

・後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)(※)

「介護保険料額」の下に記載されるのが、年金から特別徴収(天引き)される後期高齢者医療保険料、または国民健康保険料(税)です。サンプルでは非表示となっていますが、この項目は後期高齢者医療保険料、または国民健康保険料(税)が特別徴収される場合に表示されます。
 

・所得税額および復興特別所得税額

年金支払額から社会保険料と、扶養控除や障害者控除など各種控除額を差し引いた後に、5.105%の税率を掛けた額です。なお、社会保険料とは特別徴収された介護保険料、後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)の合計額です。
 

・個人住民税額(※)

年金から特別徴収(天引き)される個人住民税です。
 

・控除後振込額

年金から特別徴収(天引き)される社会保険料のほか、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額を差し引いた後の実際の振込金額です。
 
(※)8月以降の額は、予定額として6月の額が記載されます。そのため、決定額については市区町村から送付される通知書での確認が必要です。
 

介護保険料の確認箇所

年金振込通知書を見て分かるとおり、老齢年金、遺族年金、障害年金を受け取っている65歳以上の方は、一部の方を除き、年金から介護保険料が特別徴収(天引き)されています。
 
介護保険料の額は、前述したように年金振込通知書の「介護保険料額」の欄に記載されています。特別徴収(天引き)される介護保険料は、介護保険サービスの給付額の見込みに応じて3年ごとに見直すこととなっており、令和3年度は介護保険料が見直しの年になっています。
 
また、介護保険料は年金受給者の合計所得によって段階別に区分されていますが、例えば大阪市では15段階、横浜市では16段階など、市区町村ごとにその段階が異なっています。所得の段階や介護保険料の額など詳細については、お住まいの市区町村での確認となります。
 
まずは令和3年度の年金振込通知書の介護保険料額の欄から、介護保険料をいくら納付しているか確認してみましょう。手元に令和2年度の振込通知書がある場合は、3年ごとの見直しにより変更となった額も確認することができます。
 
出典
日本年金機構 「年金振込通知書」
 
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

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