更新日: 2021.11.17 その他年金

年金を受給している家族が亡くなった。遺族が必要な手続きとは?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

年金を受給している家族が亡くなった。遺族が必要な手続きとは?
年金を受給している家族が亡くなったとき、遺族はどんな手続きをする必要があるのでしょうか? 家族が受給していた年金を受け取れなくなると、生活に困る人も多いはずです。
 
今回は年金受給者の家族が亡くなった場合の手続きの方法や、遺族給付について詳しくご紹介します。速やかに手続きを進める必要がありますので、遺族が必要な手続きについて気になっている人は当記事を参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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年金受給中の家族が亡くなったらどうする?

年金を受けている家族が亡くなると、その家族は年金を受け取る権利がなくなります。そのため、年金受給者が亡くなったこと際には遺族は日本年金機構に届け出る必要があります。
 
そうすることで、亡くなった時点で受け取っていない年金や、亡くなった日以降に振り込みされた年金も、亡くなった月分まで遺族は受け取れます。ここでは遺族が必要な手続きについて見ていきましょう。
 

受給権者死亡届を提出する

遺族がまず手続きする必要があるのは「受給権者死亡届(報告書)」です。亡くなった家族が日本年金機構にマイナンバーを登録していた場合には、受給権者死亡届を提出する必要はありません。
 
受給権者死亡届の提出について、詳細は以下のとおりです。

●受給権者死亡届用紙のある場所:市・区役所または町村役場の国民年金の窓口(日本年金機構のサイトからもダウンロード可能)
●届出期日:10日以内(国民年金は14日)
●届出場所:年金事務所または年金相談センター
●死亡届の添付書類:亡くなった家族の年金証書、戸籍抄本・住民票の除票・死亡診断書のコピーなど死亡の事実を確認できる書類

届け出が遅れ、亡くなっているにも関わらず年金を受け取ったときは返金しなければいけませんので注意してください。
 

「未支給年金」を受け取る

年金は2ヶ月ごとに支払われるため、年金受給者の家族が亡くなると「未支給年金」が発生する場合があります。年金の支給は、年6回、偶数月です。例えば、12月と1月の2ヶ月分を2月に受け取るといった仕組みです。
 
老齢基礎年金を受給していた家族が、7月15日に亡くなったケースを考えてみましょう。6月15日に支給される4月分と5月分はすでに受け取っていますが、6月と7月分は受け取っていません。
 
遺族は、6月分と亡くなった月分である7月分を「未支給年金請求の届出」をすることで受け取れます。
 

遺族給付が適用されるかチェック

 

遺族に支払われる年金は、「未支給年金」以外にもあります。ここでは次の2つの遺族給付について見ていきましょう。

●遺族基礎年金
●遺族厚生年金

それぞれ受給資格要件などが定められているため、受け取れる可能性をぜひチェックしてみてください。遺族給付が支給されれば、年金受給者と生計を同じくしていた遺族は、当面の生活を心配せずにすみます。
 

遺族基礎年金

亡くなった老齢基礎年金の受給権者によって、生計を維持されていた以下の遺族が「遺族基礎年金」を受け取れます。

●子のある配偶者
●子(18歳になった年度の3月31日までにある人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人)

遺族が行うべき手続きは次のとおりです。

●記入した「年金請求書(国民年金遺族基礎年金)」を添付書類とともに、住所地の市区町村役場の窓口へ提出

 

遺族厚生年金

亡くなった老齢厚生年金の受給権者によって生計を維持されていた遺族のうち、優先順位の最も高い人が「遺族厚生年金」を受け取れます。

1.妻
2.子
3.夫
4.父母
5.祖父母

「遺族基礎年金」を受給できる人は、あわせて受給可能です。
 
遺族が行うべき手続きは次のとおりです。
 
記入した「年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)」を添付書類とともに、近くの年金事務所あるいは年金相談センターの窓口へ提出
 

確定拠出年金(DC)の場合、死亡一時金を受け取れる

掛け金を自らの判断で運用する確定拠出年金(DC)には、企業型年金と個人型年金(愛称:iDeCo)があります。
 
確定拠出年金に加入している家族が、老齢給付金を年金として受給中に亡くなった場合は、残りの確定拠出年金の資産は一括売却され、その資産残高を遺族は受け取れることを知っておきましょう。
 
遺族は、記入した「裁定請求書類」を添付書類とともに確定拠出年金の事務局へ提出し、死亡一時金の受け取り手続きをします。裁定結果が「支給」であれば、指定口座に死亡一時金が振り込まれる流れです。
 

速やかに必要な手続きを進めよう

 

年金受給者が死亡した場合、遺族は年金事務所へ受給権者死亡届を提出することが大切です。その後、未支給年金や遺族厚生年金などの請求手続きをします。子育て中の配偶者は、遺族基礎年金を受け取れるかもしれません。
 
確定拠出年金に死亡した家族が加入していた場合にも、請求手続きが必要です。速やかに必要な手続きをすべて進めて、生活に支障がでないようにしましょう。
 
出典
日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
日本年金機構 遺族に支払われる年金
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
厚生労働省 確定拠出年金制度の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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