年金の受給手続きを忘れていた…過去分はさかのぼって受給できる?
配信日: 2021.11.19
しかし、忘れたとしても諦めることはありません。
忘れていたことに気づいたら、すぐに年金請求書に必要事項を記入し、日本年金機構へ提出しましょう。5年を経過していなければ、過去分にさかのぼって受給できます。
一方、申請を忘れたという単純な理由ではなく、「年金は65歳をすぎないともらえないと思っていた」「働いている間は年金がもらえないと思っていた」など、年金制度の理解不足によるケースもあるかもしれません。
今回は、年金制度の理解が不十分なために申請を忘れやすいポイントについて確認してみます。
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
特別支給の老齢厚生年金
年金は、65歳をすぎなともらえないと思っている人は間違いです。条件を満たしている人は受給することができるので、しっかり確認しましょう。
(1) 老齢基礎年金を受け取るために必要な資格期間を満たしていること。
老齢基礎年金は、保険料納付済期間(厚生年金保険や共済組合の加入期間を含む)と保険料免除期間などを合算した資格期間が、10年以上ある場合に、終身にわたって受け取ることができます。
(2) 厚生年金保険の加入期間(共済組合加入分も含む )が1年以上あること。
(3) 受給開始年齢に達していること。
60歳から65歳になるまでの間、表1にある生年月日に応じて、受給開始年齢が引き上げられます。
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加給年金
年金の家族手当に相当するのが加給年金です。この加給年金額加算のためには、届け出が必要です。せっかくもらえる年金ですので、制度を理解し、忘れずに申請をしましょう。
加給年金は、厚生年金保険と共済組合等の被保険者期間を合わせて20年以上ある方が、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で、その方に生計を維持されている下記の配偶者または子がいるときに加算される制度です。
65歳到達後(または定額部分支給開始年齢に到達した後)、被保険者期間が20年以上となった場合は、退職改定時に生計を維持されている下記の配偶または子がいるときに加算されます。
未支給年金
年金を受けている方が亡くなったときにまだ受け取っていない年金や、亡くなった日より後に振り込みされた年金のうち、亡くなった月分までの年金については、未支給年金としてその方と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。
この未支給年金を受け取るには、年金を受けていた方が亡くなった当時、その方と生計を同じくしていた遺族が申請する必要があります。この年金も忘れがちになりますので留意するようにしましょう。
以上、年金制度の理解が不十分なために申請を忘れやすい年金制度について確認してみましたが、詳しくは、年金事務所や年金相談センターに相談するとよいでしょう。
出典
日本年金機構「Q 「年金請求書(国民年金・厚生年金保険老齢給付)」の提出が遅れたとき。」
日本年金機構「老齢年金ガイド 令和3年度版」
日本年金機構「年金を受けている方がなくなったとき」
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー