更新日: 2021.11.19 その他年金
年金受給額を年収別に比較。600万と800万なら月いくら違うの?
ただ、受給できる年金額は年収によって違うので、どれくらいの額になるのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、年収別に年金受給額を比較します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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老後にもらえる2種類の公的年金
老後にもらえる公的年金は、国民年金と厚生年金の2種類です。国民年金は公的年金の1階部分といわれており、20歳以上60歳未満のすべての方が加入します。そして保険料納付済期間などの条件を満たしたすべての方が受給できます。
一方、厚生年金は会社員や公務員が加入できる公的年金です。自営業者は加入資格がありません。まずは両方の違いを確認し、もらえる年金の種類を把握しましょう。
国民年金
国民年金は20歳以上60歳未満のすべての方に加入が義務付けられています。会社員や公務員は厚生年金に加入しますが、厚生年金保険料には国民年金保険料が含まれており、自動的に両方に加入していることになっています。
国民年金のみに加入しているのは自営業者、フリーランス、学生、農業などに従事している方、無職の方です。
年収にかかわらず1ヶ月当たりの保険料は一定で、年度によって見直されます。そのため、受給できる年金額は年収による差がありません。代わりに保険料納付済期間が少ないと、もらえる年金額が少なくなります。
厚生年金
厚生年金は会社員や公務員が加入できる公的年金です。老齢年金を受給する際は、国民年金に加えて厚生年金を受け取ります。
厚生年金保険料は給与や賞与の標準額に保険料率をかけて計算し、事業者と本人が折半して納める仕組みです。保険料は収入によって異なり、受給額も収入による差が生じます。そのため、どれくらいの額を受給できるのか、次の項目で確認しましょう。
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年収別! 年金受給額シミュレーション
国民年金の場合、年収による受給額の違いはありません。一方、厚生年金は年収によって受け取れる額が違います。ここでは三井住友銀行の年金試算シミュレーションを用いて、年金受給額のシミュレーション結果を図表1でご紹介します。
【シミュレーション条件】
・35歳会社員の男性
・就業開始時は23歳
・60歳で退職
【図表1】
現在の年収 | 厚生年金(月額) | 国民年金(月額) | 合計(月額) |
---|---|---|---|
400万円 | 7万7000円 | 6万4000円 | 14万1000円 |
500万円 | 9万7000円 | 6万4000円 | 16万1000円 |
600万円 | 11万6000円 | 6万4000円 | 18万円 |
700万円 | 12万4000円 | 6万4000円 | 18万8000円 |
800万円 | 12万4000円 | 6万4000円 | 18万8000円 |
年収600万円と800万円では月8000円の差がありました。1年間では9万6000円の差です。
自分はいくらもらえる? 年金受給額の計算方法
年金受給額は、自分で手計算をして算出できます。国民年金と厚生年金では、それぞれ計算式が異なるので、一度試算してみるとよいでしょう。
国民年金は年収に関係なく試算できます。一方、厚生年金は年収が関わってくるうえに、計算式が複雑です。受給見込額はねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。あわせてご確認ください。
国民年金の計算方法
国民年金の受給額は以下の計算式で算出します。
78万900円×保険料納付済月数÷480(加入可能期間年数の40年×12月)
保険料免除期間がある方は、保険料納付済月数に図表2の該当する項目を計算して足します。
【図表2】
全額免除 | 月数×4/8 |
4分の1納付 | 月数×5/8 |
半額納付 | 月数×6/8 |
4分の3納付 | 月数×7/8 |
40年間加入し保険料免除期間がない方は、満額の年78万900円を受給できます。
厚生年金の計算方法
65歳から年金を受け取る場合の年金額は、次の計算式で算出できます。
年金額=報酬比例年金額+経過的加算+加給年金額
報酬比例年金額は以下の式で計算します。
1.平均標準報酬月額 × 9.5/1000~7.125/1000※ × 平成15年3月までの被保険者期間の月数 + 平均標準報酬額 ×7.31/1000~5.481/1000 ※× 平成15年4月以降の被保険者期間の月数
2.(平均標準報酬額 × 10/1000~7.5/1000※ × 平成15年3月までの被保険者期間の月数 + 平均標準報酬額 ×7.692/1000~5.769/1000※ × 平成15年4月以降の被保険者期間の月数) × 1.001(昭和13年4月2日以降に生まれた方は0.999)
※は生年月日に応じた率となります
基本的に1の計算式を使いますが、1の計算式の結果が2の計算結果を下回る場合は2の計算式を用います。経過的加算は以下の計算式です。
1628円×生年月日に応じた率×厚生年金保険の被保険者月数-78万900円×(昭和36年4月以降で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者月数÷(加入可能年数×12))
加給年金額は被保険者期間が20年以上の方で、65歳到達時点で生計を維持している一定の配偶者や子がいる場合に加算します。
厚生年金の受給額の計算は、複雑で難しいため注意が必要です。ご自身の年金受給額見込額は、ねんきん定期便やねんきんネットでもチェックできます。一度確認しましょう。
年金受給額を計算して老後に備えよう
年金受給額は加入している公的年金の種類や年収によって異なります。今回ご紹介した受給額はあくまでシミュレーションのため、実際の受給見込額はねんきん定期便やねんきんネットでの確認がおすすめです。ぜひご自身の年金受給額を把握して、老後に備えてください。
【出典】
日本年金機構 公的年金の種類と加入する制度
KKR 国家公務員共済組合連合会 公的年金制度のあらまし
日本年金機構 令和3年4月分からの年金額等について
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法
北陸銀行 ほくぎんマネーのつぼ
日本年金機構 老齢基礎年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員