あれ、ねんきん定期便が届かない？ 届かない理由と対処法は？

ねんきん定期便は、毎年誕生日月に日本年金機構から送付されていきます。送付の目的を日本年金機構では、年金制度への理解を深める等としていますが、もらった側からすれば、将来年金がいくらもらえるのかが最大の関心事だと思います。
 
このねんきん定期便が届かないことが生じるようです。今回は、その理由と対処法について解説します。

ねんきん定期便の形式について

ねんきん定期便は、年齢によって送付形式が2種類あり、封書かはがきのいずれかで送付されてきます。ご自分の定期便をよく確認してみましょう。以下、形式の違いの理由と定期便の内容の違いについて確認してみます。
 

（1）封書

35歳、45歳、59歳の節目の年の誕生日月に郵送されてきます。内容としては、全期間の年金記録情報が記載されています。35歳と45歳については、これまでの加入実績に応じた年金額が記載されており、59歳はもらえる年金の見込み額が記載されているという違いがあります。
 

（2）はがき

上記節目の年以外の毎年の誕生日月に送付されてきます。これは、封書と異なり全期間ではなく直近1年間の年金記録情報が記載されています。50歳未満の方は、これまでの加入実績に応じた年金額が記載されており、50歳以上の方はもらえる年金の見込み額が記載されています。
 

ねんきん定期便が届かない理由

（1）住所や氏名が間違っている場合

ねんきん定期便は、登録されている住所に送付されてきますので、引っ越しにより住所が変わった場合や結婚に伴い氏名が変更になった場合など、ねんきん定期便が届かないケースがあります。
 

（2）基礎年金番号がない場合

公的年金制度では、平成8年12月までは、加入されていた年金制度ごとに異なる番号により、年金加入記録を管理していましたが、正確確実な年金の支払いと、よりよいサービスが提供できるように、平成9年1月から1人に1つの基礎年金番号を導入しました。
 
この基礎年金番号が割り付けられなかった人、すなわち平成9年1月以降に年金制度に加入していなかった人は、ねんきん定期便が届かない可能性があります。
 

（3）海外へ転勤した場合

海外へ転勤した場合は、ねんきん定期便送付の申し込みが必要ですので、申し込みをしなかった人には届きません。また、申し込みから手元に「ねんきん定期便」が届くまで、おおむね3ヶ月程度の期間を要しますし、年金記録の状況や各国の郵便事情などにより、それ以上の期間を要する場合があります。
 
なお、新型コロナウイルス感染症の世界的まん延に伴い、一部の国・地域宛ての国際郵便について一時引き受け停止等の事態が生じています。このため、「ねんきん定期便」の海外発送が大幅な遅延が生じているようです。
 

（4）上記以外のトラブル

なんらかのトラブルでねんきん定期便が届かないことがあります。考えられる要因としては、勤務先や配偶者の会社の申請ミス、市・区役所または町村役場の年金担当窓口のミスあるいは年金事務所の手続きミスなどが考えられます。
 

ねんきん定期便が届かなかった場合の対応

ねんきん定期便が届かない理由はさまざまですが、なんらかの問題が生じていることが考えられます。ご自分の大切な老後資金ですので、「ねんきん定期便」が届かない場合は、必ず「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」またはお近くの年金事務所までお問い合わせをするようにしましょう。
 
出典
日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
日本年金機構「年金Q&A　（「ねんきん定期便」に関する手続き等）
日本年金機構「Q　ねんきん定期便が届きません。どうすればいいですか。」
 
執筆者：堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー