更新日: 2021.12.08 年金

夫に先立たれた妻。事実婚でも遺族年金はもらえる?

執筆者 : 中村将士

夫に先立たれた妻。事実婚でも遺族年金はもらえる?
遺族年金は遺族が受け取れる年金です。一般に、夫に先立たれた妻は遺族年金を受け取れると考えられますが、事実婚の場合はどうなのでしょう。
 
このことについて、気になるのは以下の点ではないでしょうか。


●事実婚でも遺族年金を受け取ることはできるのか
●受け取れるのであれば、事実婚の認定要件と認定方法はどうなっているのか



 
中村将士

執筆者:

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

中村将士

執筆者:

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

事実婚でも遺族年金は受け取れる

遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。それぞれの年金について、受け取れる対象者(受給対象者)は、以下のとおりです。

1.遺族基礎年金の受給対象者

(1)子のある配偶者
(2)子

2.遺族厚生年金の受給対象者

(1)妻
(2)子

※(3)~(6)は省略
 
上記の「配偶者」について、国民年金法(遺族基礎年金)では以下のように定義しています。
 
第5条第7項 この法律において、「配偶者」、「夫」及び「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。
 
厚生年金保険法(遺族厚生年金)では、「妻」について以下のように定義しています。
 
第3条第2項 この法律において、「配偶者」、「夫」及び「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。
 
つまり、国民年金法、厚生年金保険法ともに事実婚であっても要件を満たせば遺族年金を受け取ることができるということです。
 

事実婚の認定基準

事実婚は、法律婚(法律手続きによる結婚。戸籍上の夫婦)とは違い、公的な書類がありません。しかし、法律で事実婚を認めている以上は、認定基準も規定があります。
 
厚生労働省の「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」では、事実婚の認定要件として、以下のように記載されています。

●事実婚関係にある者とは、いわゆる内縁関係にある者
●内縁関係とは、婚姻の届出を欠くが、社会通念上、夫婦としての共同生活と認められる事実関係をいい、次の要件を備えることを要するものであること

(1)当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意がある
(2)当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係が存在する

つまり、お互いに夫婦として共同生活をする意思・合意があり、実際に生活していることで、事実婚として認められると考えられます。
 
少し特別な例かもしれませんが、離婚をした後であっても上記の要件を満たしていれば事実婚関係が認められます。反対に、反倫理的な内縁関係である場合には、たとえ上記の要件を満たしたとしても事実婚関係は認められません。
 

事実婚の認定方法

事実婚関係および生計同一関係の認定については、妻からの申し出と以下の書類の提出により行われます。提出書類については、夫婦の住民票の住所がどのようになっているかによって異なります。

1.住所が住民票上同一であるとき

(1)それぞれの住民票(世帯全員)の写
(2)別世帯となっていることについての理由書
(3)第三者の証明書など

2.住所が住民票上異なっているが、現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を1つにしていると認められるとき

(1)それぞれの住民票(世帯全員)の写
(2)同居についての申立書
(3)別世帯となっていることについての理由書
(4)第三者の証明書など

3.単身赴任、就学または病気療養などのやむを得ない事情により住所が住民票上異なっているが、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を1つにすると認められるとき

●生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
●定期的に音信、訪問が行われていること

(1)それぞれの住民票(世帯全員)の写
(2)別居していることについての理由書
(3)経済的援助及び定期的な音信、訪問等についての申立書
(4)第三者の証明書など

 

まとめ

事実婚関係であっても、夫に先立たれた妻は遺族年金を受け取ることができます。ですので、事実婚を選択された方であっても万が一のときには公的年金が受け取れます。これは大きな安心材料ではないでしょうか。
 
「法律婚ではないから遺族年金を受け取ることができないのではないか」と思って諦めるのではなく、制度を理解した上で今後の人生設計を立てていくことが大切ですね。
 
出典
日本年金機構 「遺族年金」
日本年金機構 「遺族基礎年金」
日本年金機構 「遺族厚生年金」
e-Gov 法令検索 「国民年金法」
e-Gov 法令検索 「厚生年金保険法」
厚生労働省 「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

auじぶん銀行