更新日: 2021.12.21 国民年金

国民年金基金と付加年金、個人事業主が年金を増やすならどちらがおすすめ?

国民年金基金と付加年金、個人事業主が年金を増やすならどちらがおすすめ?
国民年金の第1号被保険者である個人事業主が、老後に受け取る年金を増やすことができる制度として「国民年金基金」と「付加年金」が用意されています。
 
この2つは併用できないことから、どちらかを選択しますが、実際どちらを利用するほうが老後に受け取る年金額を増やすことができるのでしょうか。
 
今回は、国民年金基金と付加年金の違いと、老後の年金額を増やすためにはどちらが向いているのか解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

聞くのは耳ではなく心です。
あなたの潜在意識を読み取り、問題解決へと導きます。
https://marron-financial.com

国民年金基金とは?

国民年金基金とは、国民年金に上乗せして年金を受け取ることができる、公的年金制度です。
 
「全国国民年金基金」と「職能型国民年金基金」の2種類があり、「全国国民年金基金」は第1号被保険者であれば誰でも加入できますが、「職能型国民年金基金」には、その基金ごとに定められた業種に該当する事業を行っている第1号被保険者しか加入できません。
 
また、両方に加入することはできず、加入の際にどちらの基金に加入するかを決める必要があります。
 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

付加年金制度とは?

付加年金制度とは、支払っている国民年金保険料に上乗せして支払うことで、将来受け取る年金額を増やすことができる制度です。
 
制度を利用できるのは、第1号被保険者および任意加入制度に加入している被保険者で、毎月の保険料に400円上乗せして支払うことで将来受け取る年金額を増やすことができます。
 

国民年金基金と付加年金の違い

では、両者の違いを見ていきましょう。
 

■掛金額

付加年金の掛け金は決まっており、月額400円です。そして、掛け金を払った期間に応じた年金額が加算される仕組みです。一方国民年金基金の掛け金は、選択した給付の型や、口数、年齢、性別によって異なります。ちなみに掛け金の上限額は月額6万8000円です。
 

■年金給付の種類

付加年金の場合は、「老齢年金」もしくは「死亡一時金」となります。老齢年金として受け取る場合は、付加年金を払った期間(月数)に200円を乗じた額で計算され、上乗せされます。
 
ただし、老齢基礎年金は物価の上昇に応じて年金額が変わりますが、付加年金部分についてはそのような増減はありません。
 
また、付加保険料を払っていた人が亡くなった場合、死亡一時金に8500円が加算されて支給されます。ただし、支払った期間が36ヶ月以上あることが要件です。亡くなった際に支給対象となる遺族がいる場合、遺族年金が支給されますが、付加保険料を払っていたとしてもその額は反映されません。
 
国民年金基金の給付は「老齢年金」そして「遺族一時金」です。老齢年金の給付の形は、終身年金A型・B型、そして確定年金I型・II型・III型・IV型・V型の7種類があり、それぞれ自由に選択できます。
 
ただし、1口目は終身年金A型もしくはB型のどちらかから選ぶ必要があります。終身年金と確定年金の違いは、終身年金は死亡時まで支給されるのに対し、確定年金は支給期間が決まっている点です。
 
また、国民年金基金に加入し掛け金を支払っている人が年金を受け取る前、もしくは保証期間中に亡くなった際には、遺族に対して一時金が支払われます。その際の支給額は、年金を受け取る前に亡くなった場合は納付した掛け金額に応じた額が、保証期間中に亡くなった場合は残りの保証期間に応じた額です。
 

■増やせる年金額

現在40歳(男性)が、60歳まで20年間付加年金保険料を納めた場合と、国民年金基金の終身年金A型・B型、そして確定年金I型・II型・III型・IV型・V型にそれぞれ1口ずつ掛けた場合の将来増やせる年金額を計算してみましょう。
 
付加年金は掛けた月数(240ヶ月)×200円が加算されますので、毎月400円の掛け金(9万6000円)に対し、4万8000円の加算です。この計算だと2年以上年金を受け取れば、元を取れることになります。
 
一方、国民年金基金の場合、40歳男性(昭和56年12月1日生まれ)が終身年金A型およびB型にそれぞれ4口、確定年金I型・II型・III型・IV型・V型にそれぞれ1口ずつ掛けた毎月の掛金額は5万5920円となり、将来受け取れる年金額は以下のとおりとなります。
 
20年間の掛金総額1342万800円に対し、かなりの年金額を受け取ることができます。
 


(2021年11月時点での試算結果)
 
(出典:国民年金基金連合会公式サイト(※1)、 日本年金機構「付加年金」(※2)、国民年金基金「年金額シミュレーション」より筆者作成(※3))
 

まとめ

個人事業主が将来受け取る年金を増やすのであれば、付加年金よりも国民年金基金を選ぶほうがおすすめです。掛け金はそれなりにかかりますが、自分で調整することができます。
 
また、付加年金と国民年金基金の併用はできませんが、いずれかとiDeCoの併用は可能です。その際の掛け金上限額は、自営業者やフリーランスの方であれば、付加年金もしくは国民年金基金の掛け金とiDeCoの掛け金の合計で月6万8000円です。
 
国民年金基金とiDeCoを併用し、それぞれのメリットを生かしながら、老後に受け取る年金を増やしていくことを考えてみましょう。
 
出典
(※1)国民年金基金 ホームページ
(※2)日本年金機構「付加年金」
(※3)国民年金基金「年金額シミュレーション」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集