年収がいくらを超えたら、厚生年金支給額が上限に達する?
配信日: 2022.01.19
本記事では、厚生年金支給額の上限・年収や国民年金との違いについて詳しく解説します。将来受給する年金額の上限が知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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厚生年金支給額は上限がある
厚生年金支給額は、理論上の話にはなりますが「上限額」があります。公務員や会社員が加入する厚生年金は、勤続年数(加入期間)と、加入期間中の平均給与によって決まります。毎月引かれる厚生年金保険料が高い人ほど、将来受け取る年金も多くなる仕組みです。
では、実際にシミュレーションして、厚生年金支給額がいくらになるのか見ていきましょう。
厚生年金保険料を最大で支払う人の年収は?
厚生年金支給額の最高額を受け取るには、厚生年金に加入して、40年間最高上限額の厚生年金保険料を支払い続ける必要があります。
「令和2年9月分からの厚生年金保険料額表」によると、32等級にあたる報酬月額63万5000円以上の人の毎月の保険料である5万9475円が厚生年金保険料の最高額です。
標準報酬月額が上限に達する人の年収を、賞与がない人のケースで計算してみます。この場合、報酬月額63万5000円を12ヶ月分かけた金額の、年収762万円以上が厚生年金保険料を最大で支払う人の年収だといえます。
次に、標準賞与額も上限に達する人のケースで計算してみましょう。標準賞与額は150万円が上限のため、夏と冬の2回ボーナスもらったとすると、300万円が上限額です。
したがって、年収762万円に300万円を足した、1062万円以上が厚生年金保険料を最大で支払う人の年収だと試算できます。
しかし、現実的に考えると「40年間」の期間中ずっと、「32等級の報酬月額63万5000円以上」が、条件に当てはまる人は、非常に少ないといえます。したがって、あくまでも参考程度に理解しておきましょう。
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厚生年金と国民年金の違い
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建て、人によっては企業年金なども入れて3階建ての人もいます。
厚生年金と国民年金は、社会人になると深く意識しなくても、毎月お給料から控除されているため、違いがよく分からない人も多いでしょう。
ここでは、段階順に厚生年金と国民年金の違いについて解説します。
国民年金
国民年金保険は、20歳以上60歳未満の日本国内に住んでいる人は、全員加入が義務付けられています。個人事業主や自営業など、国民年金の「第1号被保険者」にあたる人は、毎月保険料を自分で納めなくてはいけません。
会社員や公務員の人は、国民年金の「第2号被保険者」といわれる人たちです。厚生年金保険料の中には国民年金保険料が含まれており、厚生年金や共済が一括して徴収します。その後、厚生年金や共済が国民年金保険料を拠出しているため、加入者は自分で納める必要がないのです。
なお、「第3号被保険者」は、「第2号被保険者」によって、扶養されている配偶者です。この人たちも、「第2号被保険者」と同じで、自分で国民年金保険料は納めません。第2号被保険者は自分で負担しているのに対し、第3号被保険者は配偶者が加入している厚生年金や共済が負担しています。「第3号被保険者」自身が、厚生年金には加入しているわけではありません。
なかには、「厚生年金に加入しているから、国民年金には加入していない。」と、勘違いする人もいるようです。国民年金は、日本国民全員の加入が義務付けられていることを、正しく理解しましょう。
厚生年金
厚生年金保険は、会社単位で適用される保険であり、会社員と公務員の人が加入します。条件を満たせば、パートやアルバイトの人も加入対象です。
個人事業主や自営業の人は、厚生年金保険に加入できないので、国民年金のみです。そのため、老後資金の準備のために、私的年金に加入することでカバーする人も多くいます。
厚生年金支給額の上限となる年収は762万円!
厚生年金支給額の上限となる年収は、ボーナスなしの場合は762万円、ボーナスありの場合は1062万円です。
これらの上限があるので、現在上限を超えている方や今後超える可能性の高い方は、iDeCoやつみたてNISAなど、別の方法で老後資金を準備することも検討してはいかがでしょうか。
出典
日本年金機構 厚生年金保険
日本年金機構 国民年金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー