更新日: 2022.02.07 年金

令和4年から在職中の年金受給が見直される? 60代前半が知っておきたい働き方の注意点

執筆者 : 柘植輝

令和4年から在職中の年金受給が見直される? 60代前半が知っておきたい働き方の注意点
令和4年4月から、在職老齢年金の内容が一部変更されます。この変更は、60歳から64歳で年金を受け取りながら就労する場合の働き方に影響します。
 
そこで今回は、在職老齢年金の仕組みと変更点を踏まえ、60歳台前半で年金を受給している方の今後の働き方について解説します。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

在職老齢年金とは

厚生年金の被保険者として働きながら老齢厚生年金を受け取っている方の給与額と、年金の基本月額の合計額に応じて、年金の一部または全額が支給停止となる仕組みを、在職老齢年金といいます。
 
令和3年度で、60歳から64歳の在職老齢年金による支給停止額の計算の基準額は、28万円となっています。給与と年金額の合計が28万円以下であれば年金は全額支給されますが、それを超えると一部の支給停止が始まり、徐々に年金額が少なくなっていきます。
 
現行の在職老齢年金では、60歳から64歳の間で基準額の28万円を超えるため年金が一部でも支給停止の対象となる方は、令和4年度末で約37万人に上ると推計されています。これは厚生年金を受給する権利を有しながら働く方の約51%に相当します。
 

令和4年4月からの在職老齢年金

令和4年4月からは、60歳から64歳の在職老齢年金の基準額が47万円に引き上げられます。この47万円という基準額は、現行の65歳からの在職老齢年金と同じ金額になります。
 

60歳台前半では働き方をどう考えるべきか

60歳台前半の在職老齢年金の基準額が28万円から47万円へ引き上げられることで、従来より働き方の選択の幅が広がることになります。
 
現在60歳台前半で、受け取っている厚生年金が在職老齢年金によって支給停止とならない範囲で働いている方は、令和4年4月からは給与と年金の合計額が47万円以下であれば年金額が減少しないことを知っておきましょう。
 
例えば、年金を繰り上げ受給している方が、フルタイムで就労すると在職老齢年金によって年金額が減ることを理由に就労時間を調整している場合、令和4年4月からは基準額の47万円までなら総収入が増えても年金は支給停止とならないため、就労時間の延長について検討の余地があります。
 
他にも60歳で定年退職した後、再雇用によって収入が減少したため厚生年金を繰り上げ受給しながら働きたいが、在職老齢年金による支給停止の対象となるので繰り上げの申請をしていないという場合も、給与と年金の合計額が47万円の範囲内であれば、繰り上げ受給をすることが現実的な選択肢となってきます。
 
なお在職老齢年金は、厚生年金の被保険者となって厚生年金を受け取る場合が対象であるため、退職後に自営業者や業務委託として就労する方、短時間勤務で厚生年金の被保険者とならない方などには影響はありません。
 

令和4年4月は働き方を考えるタイミング

令和4年4月からは、60歳から64歳の方が対象となる在職老齢年金の基準額が現行の28万円から47万円に変更となるため、60歳台前半で年金を受け取りながら働くというスタイルがより現実的なものになります。
 
これまで在職老齢年金がネックとなって、働き方や年金受給の選択肢が限られていた方はもちろん、60歳台前半で年金を受け取りながら働きたいと思っている現役世代の方も、今回の改正を踏まえ、あらためて働き方について考えてみてください。
 
出典
厚生労働省 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要
厚生労働省年金局 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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