更新日: 2022.02.10 iDeCo(確定拠出年金)

せっかくの年金資産が目減りすることも!? 企業型DCの自動移換の仕組みとは?

せっかくの年金資産が目減りすることも!? 企業型DCの自動移換の仕組みとは?
会社員としてお勤めで、企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入している方もいらっしゃることでしょう。
 
その方が60歳未満で退職をした場合、所定の手続きをしないと、加入していた企業型DCの資産が強制的に現金化された状態で国民年金基金連合会に移行する「自動移換」の仕組みをご存じでしょうか?
 
本記事では企業型DCにおける移換手続き、および自動移換について解説します。

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企業型DCとは?

企業型DC(企業型確定拠出年金)は、公的年金である国民年金や厚生年金とは異なり、企業が法律に基づいて導入した企業年金制度です(退職金制度の一部といえます)。
 
「確定拠出」とは、年金として積み立てる金額(拠出額)が決まっているという意味で、受給できる金額は運用成果によって決まります。
 
一方で、あらかじめ受給金額が決まっている企業年金制度のことを企業型DB(企業型確定給付年金)といいます。
 

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企業型DCの移換手続きとは?

60歳未満で企業型DCに加入している方が、会社を退職したときに必要となるのが移換の手続きです。
 
退職後に別の会社に就職する、個人事業主となる、無職となるなど個別の状況にかかわらず、企業型DCの移換手続きをご自身で行う必要があります。
 
移換手続きについては、基本的に以下の3つの選択肢があります。
 

(1)企業型DCへの移換

転職する方で次の勤務先が企業型DC制度を導入している場合、その企業型DCに資産を移換する手続きが行えます。
 

(2)iDeCo(個人型確定拠出年金)への移換

こちらは転職先に企業型DCがない場合などで選択肢となります。例えば公務員になる場合のほか、個人事業主や無職といった国民年金第1号被保険者となる場合も、こちらに該当します。
 

(3)企業型DB(企業型確定給付年金)への移換

転職する場合で、転職先が企業型DBを実施しており、かつ、その企業が定める規約によっては企業型DCから資産を移換できるケースがあります。
 

自動移換とは?

では、冒頭で簡単に説明した「自動移換」とは、どのような場合に発生してしまうのでしょうか?
 
自動移換は、退職などにより企業型DCの加入者資格を喪失した翌月から起算して、6ヶ月以内に移換手続きをしなかった場合に発生します。
 
これは法律に基づく手続きとなっており、自動移換されることで積み立ててきた企業型DCの年金資産から以下の手数料が天引きされます。
 
図表1

手数料の種類 金額(税込) 詳細
特定運営管理機関への移換手数料 3300円 自動移換される場合に徴収される手数料
自動移換に関する事務手数料 1048円
特定運営管理機関手数料(月次) 52円 自動移換されてから4ヶ月後の月末までに移換手続きが行われない場合に徴収される手数料
特定運営管理機関からの移換手数料 1100円 自動移換された後、企業型DCや個人型確定拠出年金への移換手続きを行った場合に徴収される手数料

※iDeCoポータル 「自動移換とは」より筆者作成
 
また、自動移換中は資産が現金化された状態で管理されるため、運用の指図ができず、給付の対象となる加入者期間にも算入されません。
 
自身で移換手続きを行うまで管理手数料のみを徴収され続けるというデメリットしかないので、退職や転職をする際は速やかに手続きをしてください。
 

まとめ

以上、企業型DCの移換手続きと自動移換について簡単に解説しました。
 
転職などにより企業型DCの加入状況が変わる場合は、どういった移換手続きが必要となるのかを確認して早めに対応しましょう。
 
手続きを忘れて自動移換となってしまうと手数料が徴収され、せっかく積み立てたご自身の年金資産が目減りすることになりますので、十分に注意してください。
 
出典
iDeCoポータル 自動移換とは
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部