更新日: 2022.02.10 その他年金

年金手帳が廃止になるけど、返却の必要はあるの?

執筆者 : 柘植輝

年金手帳が廃止になるけど、返却の必要はあるの?
今後2022年4月以降、廃止となることが決定している年金手帳ですが、廃止された後はどう扱えばいいのでしょうか。返却の必要などはあるのでしょうか。
 
廃止後に備え、年金手帳の取り扱いについての疑問に答えます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

年金手帳とは

年金手帳とは、氏名や生年月日、基礎年金番号など年金に関する個人情報や記録が記載された手帳です。
 
年金手帳は20歳となって国民年金に加入するときなど、初めて年金制度に加入する際に交付されるもので、交付時期や年金の種類によっては色が異なっていますが、現在では青色の年金手帳が発行されています。
 


出典:日本年金機構 「基礎年金番号・年金手帳について」
 
また、加入している年金制度が共済組合のみの方には、年金手帳に代わって基礎年金番号通知書が交付されています。
 

出典:日本年金機構 「基礎年金番号・年金手帳について」
 
年金手帳は2022年4月以降、新規の発行や再発行が廃止され、新たに国民年金の第1号から第3号までの被保険者となった方には、年金手帳の交付ではなく基礎年金番号通知書の送付に切り替えられます。
 

なぜ年金手帳は廃止されるのか

年金手帳が廃止と聞いて「なぜ?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。年金手帳が廃止される理由を簡単にいってしまえば、手帳の形式や役割といった在り方を見直すためです。
 
年金手帳はこれまで、保険料納付の証明と基礎年金番号の本人への通知という機能を果たしていました。しかし、被保険者情報の管理や通知については、年金制度のシステム管理や個人番号の導入によって、必ずしも現行のような手帳形式である必要はなくなっています。
 
また、年金に関する手続きは年々簡素化が進み、同時に利便性も向上していったという点も年金手帳の廃止につながりました。
 

年金手帳は返却不要

年金手帳は2022年4月以降に廃止となりますが、すでに手元にある年金手帳を返却する必要はありません。年金手帳から基礎年金番号通知書への移行のための経過的措置として、引き続き、基礎年金番号を証明する書類として、現在発行されている年金手帳は有効とされているからです。
 
ただし、年金手帳を紛失してしまった場合は再発行されず、代わりに基礎年金番号通知書が発行されることになります。
 

年金手帳が見つからない人はどうすればいい?

年金手帳が手元に見当たらないという人は、2022年3月中であれば再発行の申請をすることができます。自営業者など国民年金第1号被保険者は、住民票がある市区町村役場や最寄りの年金事務所などで再発行の手続きをします。
 
厚生年金加入者は勤務先を通じて、または勤務先の所在地を管轄する年金事務所(厚生年金被保険者の配偶者に扶養されている第3号被保険者の場合も同)で申請できます。
 

年金手帳は廃止後も大切に保管を

年金手帳は2022年4月以降に廃止となりますが、年金の手続きに引き続き利用できるため返却の必要はありません。すでに交付されている年金手帳については、今後も大切に保管しておくようにしてください。
 
出典
日本年金機構 基礎年金番号・年金手帳について
厚生労働省 年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律の概要
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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