更新日: 2022.02.14 年金

「厚生年金44年加入特例」とは? 適用される要件にはどんなものがあるの?

執筆者 : 柘植輝

「厚生年金44年加入特例」とは? 適用される要件にはどんなものがあるの?
厚生年金には、44年以上の長期間加入している方が受けられる特例があります。「厚生年金44年加入特例」と呼ばれることもある長期加入者の特例は、一体どのような内容で、どういった場合に適用されるのでしょうか。
 
厚生年金44年加入特例の内容と要件について確認していきます。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

厚生年金44年加入特例とは

厚生年金44年加入特例(以下「44年特例」)とは、厚生年金に44年以上加入し、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢に達している方が、退職などにより被保険者でなくなった場合に、定額部分を併せて受給できるという制度です。
 
現在の年金制度では、生年月日と性別によって報酬比例部分と定額部分、それぞれ受け取れるタイミングが異なっています。
 
その理由には平成12年の法改正に伴い、報酬比例部分は平成25年度から令和7年度にかけて、60歳から65歳までの間で受給開始年齢が段階的に引き上げられているという背景があります。
 
しかし、厚生年金に44年以上加入していれば、本来は異なるタイミングで受け取ることになるはずの報酬比例部分と定額部分を、早い段階で同時に受け取ることが可能になります。
 
また、加給年金の対象となる配偶者や子がいれば、「老齢厚生年金・退職共済年金加給年金額加算開始事由該当届」の提出により、厚生年金保険の被保険者でなくなった月の翌月分から、加給年金も受け取ることができます。
 
つまり44年特例とは、厚生年金に長期間加入していると、年金を多く受け取れる可能性があるというものなのです。
 

44年特例の要件は

44年特例の適用を受けるための要件は、「厚生年金の被保険者であった期間が44年以上あること」、「厚生年金の被保険者でないこと」、「報酬比例部分の支給開始年齢に達していること」の3つです。
 
それぞれ順に確認していきます。
 

厚生年金の被保険者であった期間が44年以上あること

44年というとおり、この特例の適用を受けるには厚生年金の被保険者期間、すなわち加入期間が44年以上必要です。
 
この厚生年金の被保険期間には、厚生年金だけではなく、公務員共済や私学共済も含まれますが、それぞれは通算せず、どれか1つの加入期間のみで44年以上ある場合に適用されます。
 
例えば、公務員共済で20年、一般的な厚生年金で24年の被保険者期間という場合、44年特例の対象とはならないということです。
 

厚生年金の被保険者でないこと

44年特例は、定額部分の受給開始年齢に達する前に、退職などにより厚生年金の被保険者でなくなった方が対象となります。厚生年金に加入して被保険者となった場合、支払われている年金について加給年金を含む定額部分の支給が停止されます。
 

報酬比例部分の支給開始年齢に達していること

44年特例は厚生年金の報酬比例部分しか受け取れず、定額部分を受給できない方を対象としているため、報酬比例部分の支給開始年齢に達していなければなりません。
 
報酬比例部分を受け取れる年齢は生年月日と性別によって異なっているため、自身が60歳から65歳までの報酬比例部分の受給開始年齢に該当するかどうか、確認も必要です。
 

厚生年金には長期加入者のための特例制度がある

厚生年金には長期加入者のための特例制度として、早期に定額部分を受け取れる44年特例があります。しかし、44年特例には1つの年金制度で44年以上の被保険者期間が必要となり、他の年金制度と被保険者期間を通算できないといった適用の要件があります。
 
厚生年金に44年以上加入している、あるいはそれに近い年数加入している方は、44年特例の適用について検討してみてください。
 
出典
日本年金機構 44年以上厚生年金保険に加入している特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給者が、退職などで被保険者でなくなったとき
日本年金機構 老齢厚生年金(昭和16年4月1日以前に生まれた方)
日本年金機構 老齢厚生年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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