学生納付特例の追納をせず未納のまま…一番後悔するのはどんなとき?
配信日: 2022.02.17
学生納付特例を利用すれば、在学中の国民年金保険料の納付が猶予されます。しかし後で保険料の追納をしないと、将来受け取れる年金額が減ってしまうため注意が必要です。
ここでは、学生納付特例の対象者や申請方法、追納の仕組みなどについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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目次
学生納付特例とは
学生納付特例とは、大学や短大など学校に通っている期間に国民年金保険料の納付が猶予される制度です。対象者は学生納付特例の申請をすることで、保険料の納付が猶予されます。
対象となる条件には所得基準も設けられていますが、ほとんどの学生が利用できる制度です。ここでは、学生納付特例の対象者や申請方法についてみていきましょう。
学生納付特例の対象者
学生納付特例の対象となるのは、以下の条件を満たす学生です。
・大学や大学院、短期大学、専修学校、高等専門学校、高等学校、各種学校(修業年限1年以上)などに在籍している
・学生本人の所得が基準以下または失業などの理由がある
学校は、夜間や定時制課程、通信課程も含まれ、一部の海外大学の日本分校も対象となります。そのため、ほとんどの学生が対象です。
また、所得基準は申請者本人の所得が「128万円+{(扶養親族の数)×38万円+社会保険料控除等}」で計算した金額以下である必要があります。これらの条件を満たしている学生は、学生納付特例を利用可能です。
学生納付特例の申請方法
学生納付特例を利用する場合は、以下の必要書類を準備して申請します。
・年金手帳または基礎年金番号通知書
・学生証明書類(学生証、在学証明書など)
※退職・失業した方が申請する場合は「退職・失業したことを確認できる書類」が必要
申請用紙は日本年金機構サイトからダウンロードできます。学生納付特例の申請先は次のとおりです。
・市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口
・年金事務所
・在学中の学校
※「在学中の学校」は学生納付特例の代行事務の許認可を受けている場合
過去期間は申請時点から2年1ヶ月前まで申請可能です。
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学生納付特例を利用した場合、保険料納付は免除ではなく「猶予」となる
学生納付特例は、申請することで学校に通っている期間、国民年金保険料の納付が猶予される制度です。保険料納付の免除ではなく、「猶予」となる点がポイントです。
そのため、学生納付特例期間中は、国民年金(老齢基礎年金)や障害基礎年金、遺族基礎年金の受給資格期間には反映されるものの、年金額には算入されません。何もしなければ、特例適用期間中は「未納」と同じなのです。
現在の国民年金額は月額6万5075円、年額78万900円(令和3年4月~)ですが、年金額に反映されないままだと、将来の年金額は減ることになります。
学生納付特例期間は10年以内であれば保険料納付(追納)ができる
学生納付特例期間の保険料は、10年以内であれば追納ができます。追納とは、保険料未納や猶予分を後から納める制度のことです。追納した期間は保険料を全額納めたときと同じ扱いになるため、年金受給額を満額に近づけることができます。
追納は、学生納付特例期間の猶予分のうち、古いものから納付を行います。猶予を受けた翌年度から3年度目以降に追納した場合は、当時の保険料に一定の加算額が上乗せされますので注意してください。
追納できる期間は、猶予から10年以内と決まりがありますので、学校を卒業して社会に出たら早めに追納を行いましょう。
追納せず、未納のままだと老後になって後悔する?
学生納付特例を利用すれば、在学中の国民年金保険料の納付が猶予されます。在学中の保険料納付はありませんが、追納せずにそのまま放置していると、将来もらえる年金額が減ることになります。
猶予を受けて10年以上経過して追納できなくなったときや、老後に年金受給が始まった際に、「追納しておけばよかった」と後悔することでしょう。学生納付特例を利用したら、追納を忘れないようにしましょう。
出典
日本年金機構「国民年金保険料の学生納付特例制度」
日本年金機構「令和3年4月分からの年金額等について」
日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員