更新日: 2022.02.19 国民年金

国民年金が支払えない50歳未満が対象の「納付猶予制度」とは?

国民年金が支払えない50歳未満が対象の「納付猶予制度」とは?
国民年金は、20歳以上60歳未満のすべての方が加入し、毎月保険料を支払わなければならない公的年金制度です。
 
しかし、収入の減少や失業など保険料の支払いを困難とする事由があるときは、一定の要件の下で猶予や免除を受けられます。
 
今回は、国民年金の保険料が支払えない50歳未満の方が利用できる「納付猶予制度」について解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

国民年金保険料の納付猶予制度とは

国民年金保険料の納付猶予制度とは、収入の減少や失業などで経済的に保険料の納付が困難な20歳から50歳未満の方が、申請および承認されることで納付猶予を受けられるという制度です。
 
具体的には、申請した本人・配偶者の前年の所得(1月から6月までに申請する場合は前々年の所得)が、下記の計算式で算出した金額の範囲内であることが承認の基準となります。
 
(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
 
保険料の納付の猶予が認められた場合、その期間については保険料の支払いがなくても国民年金の受給資格期間(年金を受け取るために必要な加入期間で、老齢基礎年金では10年以上)に含まれます。
 
ただし、あくまでも受給資格期間として算出されるのみで、受給額には反映されないので注意しましょう。将来、できる限り年金を多く受け取ろうと思ったら、猶予を受けてから10年以内に保険料を追納しなければなりません。
 
また、失業等の特例免除という制度もあり、所得の基準を満たさない方であっても、失業した場合は申請によって保険料の納付猶予や免除を受けられることもあります。
 
いずれにせよ、国民年金保険料の納付が困難となったときは、住民票を有する市区町村役場や最寄りの年金事務所などへ相談することが大切です。
 

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納付猶予制度を利用するには?

前述のとおり、国民年金保険料の納付猶予制度を利用するには申請が必要です。
申請には直接窓口へ行く方法と、申請書など必要な書類を郵送で提出する方法があります。
 

窓口で申請する場合

窓口で申請の手続きする場合は、住所地の市区町村役場の国民年金担当窓口、または住所地を管轄する年金事務所の窓口に以下の書類を提出します。

●国民年金保険料 免除・納付猶予申請書(日本年金機構のホームページ、市区町村役場や年金事務所で取得できます)
●年金手帳、またはマイナンバーが確認できる書類(マイナンバーカード、マイナンバーが記載された住民票など)
●本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、在留カードなど)
●雇用保険被保険者離職票・雇用保険受給者証など(失業による特例免除を申請する場合)

具体的な手続きや申請後の流れは、市区町村役場や年金事務所にてご確認ください。
 

郵送で申請する場合

国民年金保険料 免除・納付猶予申請書(特例免除の申請の場合は、雇用保険被保険者離職票・雇用保険受給者証などの写し)のほか、窓口への提出と同様に必要な書類を添付して市区町村役場や年金事務所に郵送します。
 
申請書にマイナンバーを記載する場合は、本人確認書類、マイナンバーが確認できる書類の表裏両面の写しが必要です。
 

国民年金保険料の未納が続くとどうなる?

国民年金の保険料が支払えない場合に納付猶予などの申請手続きをすることなく、そのまま放置しておくと、保険料が未納の扱いとなってしまいます。
 
保険料の未納が続くと、将来受け取れるはずの老齢基礎年金のほか、障害基礎年金や遺族基礎年金が支給されなくなる可能性があるだけでなく、最悪の場合は自身の財産が差し押さえられるケースもあります。
 
保険料が支払えない状況となったときは、速やかに猶予などの手続きを取るようにしてください。
 

まとめ

国民年金の保険料は、申請によって納付の猶予を受けられることがあります。
 
猶予の適用を受けている期間は年金の受給資格期間に含まれ、将来の年金額への影響が最小限となります。失業や収入の減少などで保険料の納付が困難な場合、早めに申請するようにしてください。
 
出典
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
多摩市 国民年金保険料の免除・納付猶予制度
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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