更新日: 2022.03.03 iDeCo(確定拠出年金)
え? iDeCoって受け取ってしまったら、再加入できないの?
40歳半ばを過ぎて自分の資産を作らねばと思い立ち、「掛金全額所得控除」「運用益非課税」のiDeCoを続けて14年。資産額は450万円ほどになりました。60歳過ぎれば引き出すことができることを楽しみに続けてきましたので、ワクワクしながら使い道を考えているところです。
しかし……その引き出し、ちょっと待って!
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執筆者:林智慮(はやし ちりよ)
CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。
60歳過ぎてもiDeCoに加入できるように
現在は60歳未満が「加入者」となれるiDeCoですが、改正により2022年5月1日から、国民年金被保険者(65歳未満)であれば、60歳を過ぎても加入ができるようになります。会社員などの第2号被保険者や任意加入の第1号被保険者が該当します。
国民年金被保険者であるということは、60歳以降も年金保険料を支払っているということです。
保険料を支払ってない場合、例えば、社会保険上の被扶養者である第3号被保険者の場合は、60歳以降はiDeCoの加入者となりません。もし、加入期間が40年に満たない場合で任意加入する場合は、iDeCoにも加入できます。
しかし、A子さんはご主人の社会保険の被扶養者ではなく、ご自身が厚生年金に加入しています。よって、2022年5月1日以降、60歳以降もパート勤めを続けるA子さんは加入を続けることができます。
ここで、注意したいことが2点あります。
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年金を繰上げ受給したら、iDeCoには加入できない
お勤め先が厚生年金保険・健康保険適用時業者であり、労働時間や賃金や勤務期間等の加入要件を満たせば、厚生年金に加入します。60歳以降もiDeCoに加入できます。
しかし、本来受給の65歳前に年金を繰上げ受給する場合、いくら第2号被保険者であってもiDeCoに加入できません。
ところで、昭和36年(女性は41年)4月1日以前に生まれた方には、60歳代前半(65歳前)に受け取れる特別支給の老齢厚生年金があります。
特別支給の老齢厚生年金は繰り下げができず、受け取らなかったらそれまでになってしまいます。しかし、受け取ってしまったら、iDeCoに加入できなくなってしまうのでしょうか。
特別支給の老齢厚生年金については、本来の支給開始年齢での受け取りであればiDeCoの加入者になることができます。ただし、特別支給の老齢厚生年金を繰り上げすると加入できません。
例えば、64歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取る場合に、63歳でも繰り上げすると、63歳からはiDeCoに加入できなくなります。
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iDeCoを受け取ってしまったら再加入不可
もう1つ気をつけたいことがあります。
それは、iDeCoの老齢給付を受け取る請求をしてしまったら、iDeCoに再加入できないということです。一部だけでもダメです(ただし、この場合でも企業型DCには加入できます。逆に、企業型DCを受け取った場合でも、iDeCoに加入できます)。
ところで、iDeCoの加入可能年齢の引き上げが施行されるのは、2022年5月1日ですが、A子さんはその前に60歳になってしまいます。
その期間は、加入者にはなれませんが、運用指図者(確定拠出年金において掛け金の拠出が行われず、運用の指図のみを行う者(※))でいれば、2022年5月1日以降加入者となれます(放っておいて自動的に切り替わるものではありません。手続きが必要です)。
また、これまで大きく育てた資産が心配なのであれば、引き出すことを意識した運用に切り替えましょう。スイッチングで元本確保型資産に入れ替え、今後購入する分は、配分変更でリスクを控えたポートフォリオにするとよいでしょう。
制度改正により、2022年4月1日より受給開始時期が現在の制度の70歳から75歳に引き上げられます。つまり、運用益非課税で運用できる期間がその分長くなります。
急な暴落で資産額が減ってしまった場合でも、非課税運用を続けて引き出す時期を待つ時間が増えます。
iDeCoに加入ができるということは、自分のお金を自分のiDeCo口座に移すと、掛け金が全額所得控除されるということ。メリットを受けられるのは65歳までの期間限定です。できるだけ活用したいですね。
出典
(※)
企業年金連合会 運用指図者
厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者