更新日: 2022.03.15 年金

日本の年金の歴史。年金制度はいつから始まった?

日本の年金の歴史。年金制度はいつから始まった?
全国民が全国民を支える「国民年金制度」の原形は1961年に始まった拠出制の制度です。しかし年金制度のさきがけとなるものは明治期に始まりました。
 
当初は限られた人しか加入できなかったものの、第2次世界大戦時に、軍需工場などで働く労働者や事務員を対象とした年金制度が始まり、労働者が加入できるようになりました。ここでは、日本の年金の歴史を説明します。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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明治期~「国民年金法」の制定まで

年金制度の歴史は古く、明治時代初期までさかのぼります。
 
ただ、明治時代の年金制度は加入できるのは軍人に限られていて、多くの人々は加入できませんでした。また「年金」というよりも、「恩給」としての性格が強いものでした。
 
その後、1923年に公務員などを対象とした年金制度である「恩給法」が、1939年に船員を対象とした「船員保険法」が制定されました。
 
労働者を対象とした年金制度が始まったのは、1942年です。1941年に「労働者年金保険法」が制定され、1942年に施行されました。
 
これは工場などで働く男性労働者を対象とした年金制度で、老後に年金を支払うというものです。1944年に「労働者年金保険法」は「厚生年金保険法」に改められ、事務職員や女性も対象者となりました。
 
「船員保険法」「労働者年金保険法」「厚生年金保険法」は戦争に関する生産力を上げることや、戦争に協力する人の福利厚生を図るのを目的としていました。
 
しかし戦後、生活が苦しく年金を払うことができない人が増えたため、1948年には保険料率の引き下げなどが行われました。
 
また、1954年には、将来受け取れる定額部分と報酬比例部分の2階建ての老齢年金にして、男性の年金の支給年齢を段階的に55歳から60歳へと引き上げました。
 
一方、農業従事者や自営業者はこれまで年金制度の加入対象ではありませんでした。
 
このことが社会問題となり、すべての国民に老後の所得保障が必要という観点から、1959年に「国民年金法」が制定され、1961年に拠出制の国民年金制度が始まりました。これが現在の年金制度の始まりです。
 
当時は月額100円の保険料を25年納めると月額2000円、40年納めると月額3500円受け取れました。
 

国民年金制度の歴史

1961年に始まった国民年金制度は、最低でも25年間保険料を納めないと老齢年金を受け取れませんでした。しかしこれだと1961年時点で35歳以上の自営業者などは保険料を納めても年金がもらえなくなってしまいます。
 
このような人を救済するため、受給期間が10年あれば年金を受け取れる特例を設けた上で、50歳以上の人は老後「福祉年金」を受け取れるという対策をとっています。
 
オイルショックや、高度経済成長が落ち着いたこと、少子高齢化が進むことなどを背景に、年金制度の見直しが必要となりました。
 
1985年に制度が改正された際には、これまで「国民年金」「厚生年金」「共済年金」それぞれで支給要件や給付水準が異なっていたのですが、全国民を対象とした基礎年金部分が創設されました。また給付水準も見直され、受け取る側がもらいすぎないよう、措置がとられました。
 
さらに1986年には、当初任意加入だった主婦も強制加入となりました。これは主婦が離婚すると無年金になってしまうことが問題となったためです。また、1991年には学生も強制加入の対象となりました。
 
その後、少子高齢化が進み社会経済が停滞する中、年金制度も改正され、現在は20歳から59歳までの全国民を加入対象とし、年金の受給開始年齢は原則65歳からとなっています。
 
また2017年には。これまで25年間保険料を納めなければもらえなかったのが、「10年以上」に引き下げられました。現在では現役時代の収入の半額程度を年金として受け取れるようになっています。
 

より多くの人の所得保障ができるよう変わってきた

1960年までは加入対象者が限定され、1961年に国民年金制度が始まった当初も主婦や学生は任意加入でした。
 
その後、全国民が強制加入となり、10年以上加入すれば無年金にならないよう制度が見直されました。
 
このように日本の年金制度は、全国民の老後の収入保障ができるよう制度の改正が行われてきました。一方、超高齢社会が訪れ、年金を受給できる年齢の引き上げが議論されるなど、問題も残っています。
 
出典
厚生労働省 公的年金制度の歴史
ほけんROOMマネー・ライフ 日本の年金制度の始まりはいつから?歴史とは?【公的年金の発祥】
ほけんROOMマネー・ライフ 年金受給資格期間が25年から10年に短縮された点には落とし穴がある?
厚生労働省 公的年金制度に関する考え方(第2版)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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