更新日: 2022.03.18 年金

離婚した場合の厚生年金はどうなる?遺族年金は受け取れる?

離婚した場合の厚生年金はどうなる?遺族年金は受け取れる?
昨今の日本においては、医療技術の進歩を始めとするさまざまな要因により日本人の平均寿命が延び続けています。これは老後を視野に入れた人生設計がこれまで以上に求められるようになっていることでもあり、必然的に年金への依存度も増していくともいえます。
 
年金について正しい知識をもっていなければ、例えば離婚をしたようなときに、将来貰えたはずの年金が貰えなくなっていたということもあり得るのです。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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離婚すると厚生年金は受け取れない?

妻が第3号被保険者として会社員の夫に扶養されていたという関係であった夫婦が離婚するケースを考えてみます。
 
第3号被保険者である妻はその間厚生年金の保険料を支払っていないので、婚姻期間中における厚生年金保険料の納付額は夫婦で差が開いている可能性が高く、このまま離婚してしまうと老後の年金収入にも大きな差が生まれてしまうと考えられます。これでは妻が安定した老後の生活を送るという意味では望ましいとはいえません。
 
そこでこの偏重を正すため「年金分割」という制度が用意されました。結論をいえば、この制度を利用することで妻は離婚したとしても同程度の額の厚生年金を受給できることになります。
 

どんな方法で年金を分割するの?

年金分割には「合意分割」と「3号分割」という2つの方法があり、夫婦に分割の合意があるかどうか、配偶者が第3号被保険者だったかどうかによって利用できる制度が決められています。合意分割は平成19年4月1日以降に生じた離婚を対象とする、分割割合(実務上は50%ずつであるのが一般的)を2人で話し合って行う分割方法です。
 
原則として合意した夫婦が年金事務所に請求することが必要であり、全婚姻期間中における厚生年金保険料の支払総額を見比べて、多いほうの納付記録の一部を少ないほうの納付記録へ移し替えることで偏りを解消します。
 
また配偶者が第3号被保険者だった場合に、その配偶者は3号分割という方法を選択できます。3号分割は平成20年5月1日以降に生じた離婚を対象とする分割方法です。第3号被保険者である配偶者が年金事務所に請求することによって、平成20年4月1日以降の婚姻期間中の、相手方の厚生年金保険料納付記録を2分の1ずつ分割し、これを自らの納付記録として貰い受けることができます。
 
婚姻期間全体の厚生年金納付記録が分割される合意分割のほうが、平成20年4月1日以降の納付記録しか分割されない3号分割より有利である可能性が高いです。
 
しかし離婚する夫婦は話し合いができないほど関係性が悪化している可能性もあるため、合意が容易でないケースも十分に考えられます。そうなれば裁判という手段に頼らざるを得なくなってしまいますが、この場合は時間も費用もかかってしまいます。その点、単独で請求できる3号分割は、2人で請求する必要がある合意分割より簡易な方法であるといえます。
 
どちらの方法が有利であるのかは受け取れる年金額によって異なるため一概にはいえませんが、年金事務所に「情報通知書の請求手続き」をすることで、どの程度分割されるかについて情報提供を受けられます。
 

遺族年金は受け取れる?

夫婦が離婚した後にどちらかが死亡した場合、遺されたほうは原則として遺族年金を受け取れなくなるので注意が必要です。なぜなら遺族年金の受給資格は夫または妻の死亡時にその配偶者でなければならないからです。
 
離婚した後も事実婚に類するような内縁関係を続けているといった特殊な状況であれば受給資格が認められることもありますが、その証明は容易ではないことも多いです。遺族年金を受け取れると勘違いしたままでいることは、老後の生活設計に取り返しのつかない影響を与えてしまいます。だからこそ年金分割という制度が必須であるともいえるのです。
 

知らないことが命取り

年金分割は離婚日の翌日から2年経過してしまうと請求できなくなります。自分の受け取る年金について調べたり、制度の知識をアップデートしたりすることは面倒であっても避けるべきではありません。ただ知っておくというだけでも、誰しもがもっている将来の不安を少しでも軽減する材料になり、そしてそれは幸福な老後を迎えることにつなげる準備にもなるのです。
 
出典
日本年金機構 離婚時の年金分割
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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