更新日: 2022.04.11 その他年金
共働き夫婦の遺族年金事情。会社員と自営業ならどう違う?
遺族基礎年金や遺族厚生年金といった遺族年金の制度はありますが、共働きの家庭では支給されないのではないかと疑問に思う方もいるかもしれません。
ここでは、遺族年金を受給できる要件や会社員と自営業者で受け取れる遺族年金の違いについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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共働きでも遺族年金は受給できる
遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者が亡くなったときに、遺族が受給できる年金の1つです。遺族年金には、国民年金から支給される遺族基礎年金と、厚生年金保険から支給される遺族厚生年金の2種類があります。
共働き夫婦の場合、遺族年金が支給されるかどうかが気になる点かもしれませんが、ポイントとなるのは生計維持関係にあるかどうかです。
生計維持関係とは、生計が同一であり、遺族自身の前年の収入が850万円未満、または前年の所得が655万5000円未満であることを満たせば認められます。
共働きの夫婦は2人の収入でお互いに家計を支え合っているという形になるので、共働きでも生計維持関係は認められますし、遺族年金も受け取ることができるのです。
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遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給要件
遺族基礎年金と遺族厚生年金では、それぞれ受給要件が異なります。
遺族基礎年金の場合
遺族基礎年金は、亡くなった方の子のある配偶者、もしくは子が支給の対象となります。
ここでいう「子」とは、18歳到達年度の末日を経過していない未婚の子ども、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の未婚の子どものことです。亡くなった当時、胎児であった場合も、出生後に子どもとして認められ、支給対象に含まれます。
子どもがいることが要件となっているので、子どもがいなかったり、子どもがいても全員18歳以上だったりするような場合は、遺族基礎年金を受け取れないので注意が必要です。また、子どもがいても18歳到達年度の末日時点で、支給が終了となります。
遺族厚生年金の場合
遺族厚生年金は、厚生年金保険に加入している方が亡くなった場合に利用できる年金です。遺族基礎年金とは異なり、子どもがいなくても受給できますが、性別や子どもの有無によって要件が異なります。
子どもがいる配偶者では、失権事由に当たらない限り、一生涯受給可能です。子どものない妻は、30歳未満では5年間、30歳以上では一生涯受給できます。
夫の場合は、55歳以上の場合に受給可能です。一生涯受給できますが、受給開始は60歳からとなります。ただし遺族基礎年金をあわせて受給できる場合に限って、60歳より前から受給可能となっています。
また、遺族厚生年金が受給可能な妻は、中高齢寡婦加算が加算される場合があります。
夫が亡くなったときの妻の年齢が40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子どもがいないこと、または、子どもが18歳を超えたために遺族基礎年金の受給資格を失ったことが受給要件です。
満たした場合は40歳以降から65歳になるまでの間で、受け取れる遺族厚生年金の金額に加算されます。
会社員と自営業で受け取れる年金の違い
受け取れる年金は亡くなった方は会社員か自営業かで大きく異なります。
会社員の方は厚生年金に加入しており、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取れる可能性があります。
対して、自営業の方は国民年金のみの加入となっており、受給できる可能性があるのは遺族基礎年金のみです。
また、現在自営業者である方が、過去に会社員として働いていた場合、厚生年金に加入していた期間によっては、遺族厚生年金が受け取れる可能性があります。
厚生年金に加入していない自営業の方が亡くなった場合は、受けられる年金が少ない点に注意が必要です。特に子どもがいない場合は、遺族基礎年金と遺族厚生年金のどちらも受け取れません。万が一の事態に備えて、資金を準備しておくと安心できるでしょう。
共働きでも受給できるが、万が一の事態に備えを
共働きの夫婦であっても、生計維持関係にあると認められれば、遺族年金は受給可能です。
受け取れる年金は、会社員か自営業者かで変わってきますし、性別や年齢によっても異なります。自分が受け取れる資格のある年金がどれなのか、確認してみるとよいでしょう。
特に、厚生年金に加入していいない自営業者の場合は、受け取れる年金が少ないため、ほかの方法で万が一の事態に備えておくことが重要です。
出典
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 た行 中高齢寡婦加算
厚生労働省 11基礎編講義 生計維持 生計維持関係の認定基準及び認定の取扱い
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部