更新日: 2022.04.14 年金

夫が元気なうちに知っておきたい。専業主婦は遺族年金をいくらもらえるの?

夫が元気なうちに知っておきたい。専業主婦は遺族年金をいくらもらえるの?
夫の死後、資金面で生活の不安を感じる専業主婦の妻にとって、「遺族年金」は頼りになる存在です。
 
遺族年金とは、国民年金や厚生年金といった公的年金制度の加入者が亡くなった後、残された家族に支給される年金で、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。
 
年金の受給額は、受給者の年齢や家族構成など諸条件によって変わってくるのですが、このうち会社員の妻である専業主婦はいくらもらえるのか、パターン別にみていきます。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

専業主婦の遺族年金受給額は、要件ごとに異なる

年金制度上、夫が会社員の専業主婦とは第3号被保険者を指し、給与所得者である第2号被保険者の配偶者です。夫は、会社員など厚生年金に加入している人であるということが前提です。
 
この夫が亡くなった場合、妻が受け取れる年金額は次の3つのパターンによって異なってきます。
 

(1)妻に18歳(障害等級1、2級は20歳)未満の子どもがいる場合

遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給されます。
 
遺族基礎年金については定額となっており、年額77万7800円に子どもの人数分が加算されます。
 
子どもの加算額は、2人目まで一人につき年額22万3800円、3人目以降は一人につき年額7万4600円です。
 
遺族厚生年金の受給額は条件によって異なり、「老齢厚生年金の年金額の報酬比例部分×3/4」という計算式にあてはめて算出します。
 
ただし、夫の保険加入期間が25年(300ヶ月)に満たない場合は、300ヶ月とみなして算出するため「加入実績に基づいた老齢厚生年金の年金額の報酬比例部分÷加入月数×300ヶ月×3/4」の計算式をあてはめることになります。
 

(2)妻に18歳(障害等級1、2級は20歳)未満の子どもがいない場合

遺族基礎年金は要件に該当する子どもがいない場合には支給されませんので、この場合は遺族厚生年金だけの支給となります。
 
また、夫の死亡時に妻が65歳以上の場合は、「妻の老齢基礎年金の受給額+夫の老齢厚生年金の年金額の報酬比例部分×3/4」で計算されたものが支給されます。
 
ただし、現在は専業主婦でも、妻が過去に厚生年金に加入しており、保険料が高く勤務期間も長い場合は、妻の老齢厚生年金の受給額の方が高くなるケースもあるかもしれません。
 
したがって、65歳以上の妻は、[1]妻の老齢厚生年金、[2]遺族厚生年金、[3]妻の老齢厚生年金の1/2+遺族厚生年金の2/3 のいずれかを選択することになります。
 
なお、夫の死亡時に、子どものいない30歳未満の妻の場合は、遺族厚生年金の受給権を得た日から5年を経過した時点で、遺族厚生年金の支給が終了となります。
 

(3)中高年寡婦加算金の受給要件に該当する場合

夫の死亡時に40歳以上65歳未満で子のない妻、または子があっても18歳(障害等級1、2級は20歳)に到達し、遺族基礎年金を受け取ることができない妻は、遺族厚生年金の「中高齢寡婦加算」が加算されます。
 
支給額は定額の58万3400円で、これは遺族基礎年金の4分の3に相当する金額です。ただし、妻が65歳の年齢に達すると、それ以降は自分の老齢基礎年金を受けられるため、中高齢寡婦加算の受給資格を失うことになります。
 
なお、下記のいずれかの条件に該当する場合、妻が65歳に達すると、中高齢寡婦加算の代わりに経過的寡婦加算が加算されます。

[1]昭和31年4月1日以前生まれの妻が、65歳以上で遺族厚生年金の受給対象となった場合
[2]中高齢寡婦加算がされていた、昭和31年4月1日以前生まれの遺族厚生年金の受給対象の妻が65歳に達したとき

これは、国民年金の第3号被保険者の制度が始まった昭和61年4月まで、国民年金に任意加入していなかった妻の老齢基礎年金の額が低下することを防止するために設けられものです。支給額は妻の生年月日により異なります。
 
遺族年金については、いくら受給できるのかを最寄りの年金事務所などでも確認できます。気になる方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。
 

遺族年金は2種類、受給年齢によっては加算制度も

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、遺族基礎年金は18歳未満(障害等級1、2級は20歳未満)の子どもがいる場合だけに支給されます。
 
ただし、支給要件に該当する子どもがいなくても、妻が40歳以上65歳未満であれば、中高年寡婦加算金という加算制度があります。
 
年金受給者の専業主婦は、遺族厚生年金として、自身の老齢基礎年金の受給額に加えて夫の老齢厚生年金の年金額の報酬比例部分の4分の3を受給することができます。受給見込み額がいくらになるかは最寄りの年金事務所などで確認することも可能です。
 
出典
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 た行 中高齢寡婦加算
日本年金機構 年金給付の経過措置一覧(令和4年度)
日本年金機構 遺族年金ガイド 令和4年度版
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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