更新日: 2022.04.19 国民年金

年金がもらえる年齢になるけど、何か手続きが必要なの?

執筆者 : 堀江佳久

年金がもらえる年齢になるけど、何か手続きが必要なの?
自分や家族の生活のために長い間働いてきて、ようやく年金をもらえる年になったら、どのような手続きをすればよいのでしょうか? 
 
仮に、再雇用で会社に勤めている場合でも、会社がやってくれると思っていると大きな間違いです。年金をもらうためには、自分で手続きをする必要があります。
 
年金をもらうための流れと、受給開始年齢の変更について解説します。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

年金受給基本の流れ

年金は受け取る権利(受給権)ができたときに自動的に始まるものではなく、以下のような年金の請求手続きが必要です。
 

(1)年金請求書の受け取り

受給開始年齢に達し、老齢年金の受給権が発生する方には、受給開始年齢に到達する3ヶ月前に、年金を受け取るために必要な年金請求書が日本年金機構から送付されてきます。
 
年金請求書には年金加入記録が記載されていますので、記録を確認し、「もれ」や「誤り」がある場合は、年金請求書を提出する前に、お近くの年金事務所まで問い合わせをし、必要に応じて修正をする必要があります。
 

(2)年金請求書の提出

送付されてきた年金請求書に必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、添付書類とともにお近くの年金事務所に提出します。
 
ただし、年金加入期間が国民年金(第1号被保険者)のみの方は、お住まいの市(区)役所または町村役場に提出をします。
 
なお、年金の請求をせず、年金を受けられるようになったときから5年が経過すると、法律に基づき、5年経過分の年金については時効により受け取れなくなる場合がありますので、早めに請求をする必要があります。
 

(3)年金受給の開始

年金請求書の提出から約1~2ヶ月後に「年金証書・年金決定通知書」が送付されてきます。
 
そして、「年金証書・年金決定通知書」が届いてから1~2ヶ月後に、年金のお支払いの案内(年金振込通知書・年金支払通知書または年金送金通知書)が送付されてきて、年金の受け取りが始まります。
 
年金は2月、4月、6月、8月、10月、12月(偶数月)の15日(土曜日、日曜日、祝日のときは、その直前の平日)に振り込まれます。各定期月に受け取る年金額は受け取る月の前2ヶ月分です。

<例>

2月の支払い……前年12月と1月の2ヶ月分
4月の支払い……2月と3月の2ヶ月分

なお、初めて年金を受け取るときなどは、奇数月の場合があります
 

受給開始年齢の変更について

老齢基礎年金は、原則として65歳から受け取ることができますが、繰上げ受給や繰下げ受給もできます。それぞれメリット・デメリットがありますので、ご自分のライフスタイルや資産状況などに応じてよく検討する必要があります。
 
なお、年金に関しての不明な点は、お近くの年金事務所、街角の年金相談センター、またはねんきんダイヤルへお問い合わせするとよいでしょう。
 

(1)繰上げ受給

希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受け取ることができます。
 
ただし、繰上げ受給の請求をした時点(月単位)に応じて年金が減額され(例えば60歳時点では30%減額されます)、その減額率は生涯変わりません。
 
なお、減額された年金は、繰り上げ請求した月の翌月分から受け取ることができます。
 

(2)繰り下げ受給

希望すれば66歳以降から、繰り下げて受け取ることができます。
 
繰下げ受給の請求をした時点(月単位)に応じて年金が増額され(例えば70歳時点では42%増額されます)、その増額率は生涯変わりません。
 
なお、増額された年金は、原則として繰下げ受給の申し出をした月の翌月分から受け取ることができます。
 

出典

日本年金機構 老齢年金の請求手続き
日本年金機構 老齢年金ガイド(令和4年度版)
日本年金機構 老齢年金の請求手続きのご案内
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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