更新日: 2022.04.21 厚生年金
60歳以降も厚生年金に加入したら、65歳までにいくら増える?
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
厚生年金の加入要件を確認
厚生年金の加入要件は、会社や従業員5名以上の個人事業主の事務所(農林漁業など一定の業種を除く)など厚生年金が適用される事業所にてフルタイムないし、一般の社員の所定労働時間および所定労働日数の4分の3以上働くことが必要です。
雇用されていれば形態は問わないため、正社員でなくとも契約社員やアルバイト・パートなどでも要件を満たせば加入することができます。なお、短時間での就業であっても、一定の要件を満たすことで厚生年金に加入することができます。
出典:日本年金機構 会社に勤めたときは、必ず厚生年金保険に加入するのですか。
この要件は60歳以上で定年後の再雇用であっても変わらないため、60歳以降も厚生年金に加入したいと考えるのであれば、上記の要件に合致するような働き方を選ぶと60歳以降も厚生年金に加入して、将来受け取る年金額を増やすことができます。
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60歳以降、65歳まで厚生年金に加入したら将来受け取る年金はどれだけ増えるのか
厚生年金は報酬比例部分と経過的加算、そして加給年金とで構成されています。今回はシミュレーションであるため、年齢性別を問わずいくら増えるのか目安となる金額を算出するために、上記のうち大部分を占める報酬比例部分のみで簡易的に考えてみます。
平成15年4月以降、報酬比例部分は下記のように、加入期間の平均標準報酬月額に給付乗率(5.481/1000)に平成15年以降の加入月数をかけて算出します。そのため、基本的には60歳以降も働き厚生年金に加入することで、将来受け取る厚生年金の額を増やすことができます。
出典:日本年金機構 は行 報酬比例部分
上記の平均標準報酬月額とは、平成15年以降の標準報酬月額(おおよその給与額で厚生年金保険料算出の基となる金額)の平均です。
では、この平均標準報酬月額が、30万円、40万円、50万円と仮定して60歳から65歳の間の5年間働いたとき、厚生年金がどれくらい増えるかシミュレーションしてみます。
平均標準報酬月額が30万円となった場合
60歳から65歳の5年間(60月)働き、平均標準報酬月額が30万円だった場合、増える年金額は9万8658円となります。
30万円×5.481÷1000×60月=9万8658円
平均標準報酬月額が40万円となった場合
60歳から65歳の5年間(60月)働き、平均標準報酬月額が40万円だった場合、増える年金額は13万1544円となります。
40万円×5.481÷1000×60月=13万1544円
平均標準報酬月額が50万円となった場合
60歳から65歳の5年間(60月)働き、平均標準報酬月額が50万円だった場合、増える年金額は16万4430円となります。
50万円×5.481÷1000×60月=16万4430円
国民年金部分が増えることもある
厚生年金に加入している方は同時に国民年金に加入することになります。そして、厚生年金を受け取るとき、国民年金も同時に受け取ることができます。
国民年金は最大480月まで加入して給付額を増やすことがき、480月加入した場合の国民年金額は満額の77万7800円(令和4年度)です。仮に国民年金に加入して保険料を納付していた期間が480月未満の方の場合、5年間で増える国民年金の金額は最大で、年間9万7225円となります。
60歳以降も厚生年金に加入することで将来受け取る年金額を確実に増やすことができる
60歳以降も厚生年金に加入すると、加入期間とその間の平均給与に応じて将来受け取る年金額を増やすことができます。人によっては国民年金の部分も増やすことができ、老後への安心感が高まります。
なお、今回の計算結果についてはあくまでも簡略化した要件の下でシミュレーションした結果であるため、個別の金額が気になる場合は、年金事務所に問い合わせるなどしてご相談ください。
出典
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 会社に勤めたときは、必ず厚生年金保険に加入するのですか。
執筆者:柘植輝
行政書士