更新日: 2022.04.23 厚生年金

配偶者の扶養手当の代わりのようにもらえる「加給年金」。具体的に年間いくら上乗せされるの?

配偶者の扶養手当の代わりのようにもらえる「加給年金」。具体的に年間いくら上乗せされるの?
年金版の扶養手当といわれることもある加給年金。厚生年金の受給開始年齢となっても扶養する配偶者や子がいる方にとってはうれしい制度ですが、どのような条件で受給することができ、年金にどのくらい上乗せされるのでしょうか。今回は加給年金について解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

加給年金とは

加給年金とは、原則、厚生年金に20年以上加入していた方が65歳に到達した時点(または定額部分の支給開始年齢に到達した時点)において、生計を維持している配偶者または子がいる場合に年金に加算されるもので、いわば年金版の扶養手当のようなものです。
 
ここでいう配偶者とは、年金を受給する方に生計を維持されている65歳未満の方で、子とは18歳到達年度の末日前までの子(1級・2級の障害の状態にある子は20歳未満)が対象となります。
 
厚生年金を受け取りながら働いており、65歳到達後に厚生年金への加入期間が20年以上となった場合は在職定時改定時、退職改定時(または70歳到達時)に生計を維持されている配偶者や子がいると加算されるようになります。
 

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加給年金で年間いくら上乗せされるのか

加給年金によって年金に上乗せされる額は、配偶者の場合は年間で22万3800円、子の場合は2人目までは1人につき22万3800円、3人目以降については1人につき7万4600円となっています(令和4年度)。
 
例えば、配偶者と子ども2人を扶養している場合、加給年金として年間で67万1400円が上乗せ支給されるということになります。
 


出典:日本年金機構 「加給年金額と振替加算」
 
なお、配偶者が対象の加給年金には特別加算があり、厚生年金を受け取る方(配偶者を扶養している方)の生年月日に応じて、さらに3万3100円から16万5100円が支給されるようになっています。
 

出典:日本年金機構 「加給年金額と振替加算」
 
例えば、昭和18年4月2日以降生まれの方が65歳未満の配偶者を扶養していれば、特別加算額を追加した加給年金の合計額は年間38万8900円となります。
 

加給年金を受け取るために必要な手続き

加給年金は、条件に該当すれば自動で支給されるようになるものではなく、最寄りの年金事務所または街角の年金相談センターに申請の手続きをする必要があります。
 
申請に当たっては、受給者本人の戸籍謄本または戸籍抄本、世帯全員の住民票、加給年金の対象となる配偶者や子の所得証明書などの提出が必要です。
 


出典:日本年金機構 「加給年金額を受けられるようになったとき」
 
提出する書類や申請手続きについて不明な点があれば、最寄りの年金事務所などへ問い合わせるといいでしょう。
 

配偶者が振替加算の対象となることもある

振替加算とは、加給年金の対象となる配偶者が65歳に達し、扶養していた方への加給年金が打ち切られたとき、配偶者自身の老齢基礎年金に上乗せされるものです。
 
振替加算は、大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれていることなど、一定の要件を満たしている配偶者の方が対象となります。
 


出典:日本年金機構 「加給年金額と振替加算」
 
振替加算の金額は、配偶者の方の生年月日によって年額22万3800円から1万4995円の間となっています。
 

加給年金の上乗せ額は年間22万円以上となることもある

加給年金は年金の扶養手当のようなもので、厚生年金に20年以上加入している方が65歳到達時点で対象となる配偶者や子を扶養している場合、年金に上乗せして受け取ることができます。
 
上乗せ額は、配偶者や2人目までの子は1人につき年間で22万3800円と、扶養している家族がいる年金受給者の方にとっては決して無視できない金額といえます。
 

出典・参考

日本年金機構 加給年金額と振替加算
日本年金機構 加給年金額を受けられるようになったとき
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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