更新日: 2022.04.24 その他年金
43年間働き続けた国家公務員、将来の年金は毎月どのくらい?
そこで、今回は国家公務員として43年間働き続けた場合に将来受け取れる年金が毎月どれくらいであるかを考えていきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
国家公務員の受け取る年金
国家公務員として働いた方が老後に受け取る年金は3階建てになっています。1階部分には国民年金(老齢基礎年金)、2階部分には厚生年金(老齢厚生年金)と、ここまでは通常の自営業者や会社員の方などと同じです。
3階部分が公務員独自の制度で退職年金となります。この退職年金は一般的な会社員でいうところの企業年金に該当するものになります。
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43年間働き続けた公務員は将来どれくらい年金を受け取れるのか
実際に43年間国家公務員で働いた場合、将来年金がどれくらい受け取れるのか、簡単に考えていきます。平均標準報酬月額(簡単に説明すると、年金加入期間の、つまり働いていた間の平均給与)を40.6万円と仮定し、年金は65歳から受け取るものとします。
なお、公的年金以外の私的年金などについては考慮しないものとします。
老齢基礎年金
最初に1階部分の老齢基礎年金です。老齢基礎年金は最大で40年加入でき、40年加入した場合は満額受け取ることになります。その場合、受け取れる年金額は年間で78万900円です(令和3年度ベース)。
毎月の支給額に換算すると6万5075円となります。43年間国家公務員として働いたとしても、1階部分についてはこれが上限額になります。
老齢厚生年金
2階部分に当たる老齢厚生年金は、報酬比例部分と経過的加算と加給年金額とで構成されています。経過的加算と加給年金額は生年月日や家族構成によって支給の金額や支給の有無が異なるため、今回受給するのは報酬比例部分のみと仮定して計算します。
報酬比例部分は平成15年4月以降下記の計算式によって算出されます。
報酬比例部分=平均標準報酬月額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数
すると、43年働いた場合の年間の支給額は下記のとおりとなります。
40.6万円×5.481/1000×516月(43年分)=114万8248円
1月当たりに換算したときの金額はおよそ9万5687円になります。
退職年金
3階建て部分に当たる退職年金はさらに、終身退職年金と有期退職年金とに分けられます。終身退職年金はその名のとおり、生きている限り受け取れるもので、有期退職年金は原則20年間受け取れるものになります。
支給される終身退職年金は終身退職年金算定基礎額(10年以上加入している場合は給付算定基礎額を2分の1にしたもの)を受給権者の年齢区分に応じた終身年金現価率(毎年9月30日までに連合会の定款で定めるもの)によって算出されます。
仮に給付算定基礎額を38万3000円、終身年金現価率を23.033747とすると、初年度に受け取る終身退職年金は月額平均8314円ほどとなります。
有期退職年金は有期退職年金算定基礎額(10年以上加入している場合は給付算定基礎額を2分の1にしたもの)を受給残月数の区分に応じた有期年金現価率で算出します。仮に給付算定基礎額を38万3000円、有期年金現価率を21.125とすると、初年度に受け取る有期退職年金は月額平均9065円ほどとなります。
国家公務員が43年働くと、毎月17万円以上の年金が見込めます
国家公務員がこれから43年働くと、老齢基礎年金と老齢厚生年金、そして退職年金とで毎月合計17万円以上の年金が受け取れると想定できます。
しかし、この数値は簡易な条件の下で行ったシミュレーションにすぎません。個別の事情や年金制度の変更によっては17万円を大きく上回ることも、それより少なくなることもあり得ます。
これから国家公務員となり、将来受け取る自身の年金額が気になるという方、現在国家公務員として働いている方で詳細の年金額が気になるという方は、最寄りの年金事務所などへ問い合わせた上で、今回のシミュレーションを老後の計画の策定に役立ててみてはいかがでしょうか。
出典
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
国家公務員共済組合連合会 有期退職年金
国家公務員共済組合連合会 終身退職年金
国家公務員共済組合連合会 退職年金の構成
国家公務員共済組合連合会 終身年金現価率
国家公務員共済組合連合会 有期年金現価率
執筆者:柘植輝
行政書士