更新日: 2022.04.25 国民年金

60歳で国民年金保険料の未納期間あり。今から追納したらどのくらい加算されますか?

執筆者 : 柘植輝

60歳で国民年金保険料の未納期間あり。今から追納したらどのくらい加算されますか?
60歳になり、初めて老後について考え出したというような方から「今から過去の未納分を追納したら将来の年金がどれくらい増えるのか」と相談されることがあります。国民年金保険料について未納となる期間がある60歳の方に向け、国民年金保険料に追納したらどれくらい年金が増えるのか、令和3年度ベースで解説してみます。

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柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

国民年金保険料の追納とは

国民年金保険料の追納とは、国民年金保険料について猶予や免除を受けている期間分の保険料を後から支払うことをいいます。追納には時間的な制限があり、追納の申し出が認められた月の前10年以内の期間に限られています。なお、3年以上前の部分についての追納は一定の加算額を加えた金額を保険料として納めることになります。
 

出典:日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
 
それに対して未納とは、免除や猶予といった手続きを取らないまま保険料を支払っていない状態をいいます。未納状態でもご安心ください。2年以内であれば、さかのぼって免除扱いとすることができます。手続きの詳細については住所地を管轄する市区町村役場や最寄りの年金事務所へご相談ください。
 
未納や免除などを受けていた期間があると、その分将来受け取る保険料が減少するため将来受け取る年金を増やしたいと考えているのであれば、早めに何らかの手続きをするべきです。
 

追納できなくても任意加入ができる場合もある

既に10年や2年という期間を過ぎ、追納も後納もできないという場合、60歳から65歳の間であれば国民年金に任意加入して保険料を支払い、年金額を満額に近づけるということも可能です。なお、国民年金が受給できない(最低10年保険料を納付するという受給要件を満たしていない)場合は70歳まで任意加入が可能になります。任意加入の詳細については最寄りの年金事務所へご相談ください。
 

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追納によってどれくらい年金が増える?

では、実際に60歳で未納期間を有する方が、さかのぼって免除などの手続きをした上で、追納したときにどれくらい年金額が増えるのか、国民年金保険料を480月(40年)支払っていて満額受け取れる場合の年金額が年間で78万900円(令和3年度をベース)とし、令和3年度に追納したものとして簡単にシミュレーションしてみます。追納する期間以外は未納、一部免除などの期間はないものとします。
 

1年分追納した場合

1年間(12ヶ月)保険料が未納であったという場合、受け取れる年金額は、追納しない状態では76万1378円になります(78万900円×468÷480)。満額の状態では78万900円であることから、追納によって増える金額は1万9522円になります。
 
追納によって支払う保険料は1年分で19万8480円程度となります(令和2年度分の未納期間分をさかのぼって免除申請と追納をした場合)。
 

2年分追納した場合

2年間(24ヶ月)保険料を未納であったという場合、受け取れる年金額は追納しない状態で74万1855円になります。(78万900円×456÷480)追納によって増える金額は3万9045円になります。
 
追納によって支払う保険料は2年分で19万8480円(令和2年度分)+19万6390円(令和元年分)とで合計39万4870円になります(令和2年分と令和元年分の2年間分をさかのぼって免除申請して追納した場合)。
 

追納によって増える年金額は1年当たり1万9522円が目安

60歳であっても、一定条件と手続きの下、過去未納となっていた期間の国民年金保険料を追納し、将来受け取る国民年金の額を満額に近づけることができます。保険料を1年分追納すると、年間で受け取れる国民年金額は年間で1万9522円程度増加します。
 
60歳で未納部分があり、将来の年金額が気になるという方はさかのぼっての免除申請と追納、場合によっては任意加入などして将来受け取れる年金額を増やすよう検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
 
執筆者:柘植輝
行政書士