更新日: 2022.04.27 国民年金

年金を受給していた人が亡くなった時、どのような手続きが必要?

年金を受給していた人が亡くなった時、どのような手続きが必要?
身近な人が亡くなった場合、悲しみに暮れながらも、さまざまな手続きが必要です。そのなかの1つに、年金手続きがあります。どのような手続きが必要なのか、年金受給者の場合と現役世代で年金を払っている人、また遺族のための手続きを分かりやすく解説します。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

年金を受給していた家族が亡くなった場合どうすればよいの?

年金を受給している方が亡くなると、当然ですが年金の受給する権利はなくなります。そのため遺族の方は「受給権者死亡届」の提出が必要となっていきます。
 
老齢厚生年金、老齢共済年金の場合は10日以内、老齢基礎年金の場合は14日以内に死亡届を亡くなった方の住所地の年金事務所等に届け出をします。ただし、日本年金機構にマイナンバーが収録されている方の場合は原則届け出不要です。
 
また、年金は受給されていた方が亡くなられた月の分まで支払われます。死亡後に振り込まれた年金は受け取ることができないので、返金することになります。届け出が必要な場合は、必ず期限内に届けるように注意しましょう。
 

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年金を受給していなかった場合はどうすればよいの?

本来受け取ることが可能であった年金を亡くなられた方が、まだ受け取っていない年金があるときは、生計を同じくしていた遺族の方からの請求によって、その「未受給年金」が受給できます。その際は、「未支給年金・保険給付請求書」の提出が必要で、この場合は日本年金機構にマイナンバーが収録されていても提出しなければなりません。
 
また、亡くなられた方が受け取っていない年金を受け取ることのできるのは、

●配偶者
●子
●父母
●孫
●祖父母
●兄弟姉妹

または、上記の者以外の三親等内の親族のうち、「死亡当時生計を同じくしている者」となっていますので、別居の家族や内縁関係の場合は受給の権利がありません。
 
ちなみに請求の時効は、受給権者の年金支払日の翌月初日より起算して5年です。
 

年金を前払いしている最中に亡くなった場合はどうなるの?

国民年金には「国民年金前納割引制度」という制度があり、2年前納、1年前納、6ヶ月前納、当月末振替の4種類が該当します。その前納制度を利用して前払いをしていた場合の保険料は、返金してもらうことが可能です。
 
その場合は、「国民年金保険料還付請求書」の提出が必要です。ちなみに、これは保険料の二重払いや減額になどで納め過ぎとなった場合と同じ対応となります。
 

亡くなった方以外でも手続きが必要な場合がある

被相続人が会社員や公務員の場合で、配偶者が主夫(主婦)で国民年金の第3号保険者の場合は、以降は国民年金の第1号保険者に変更しなければなりません。その場合は、住所地の市区町村役場に届けます。
 
また、遺族向けには図表1のような年金・一時金があります。いずれの制度も、受給要件は年金事務所などに問い合わせるようにしましょう。
 

 

いざという時に慌てないために

相続は必ずやってくるものです。そのための事務処理には期限がつきものです。いざという時に慌てないように年金だけでなく、それ以外の相続手続きについても、あらかじめ用意できるものから準備しておきたいですね。
 

出典

日本年金機構 年金Q&A(年金受給者が亡くなったときの手続き)
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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