更新日: 2022.04.27 年金

国民年金の学生納付特例制度。追納しないと将来の年金額はいくら減ってしまうの?

執筆者 : 柘植輝

国民年金の学生納付特例制度。追納しないと将来の年金額はいくら減ってしまうの?
国民年金の保険料について、学生納付特例制度により納付が猶予されている学生の方はもちろん、学生時代に猶予を受けていたという社会人の方も少なくはないと思います。
 
学生納付特例制度を利用して猶予されていた期間の保険料を追納しないままでは、将来の年金額はいくら減ってしまうのでしょうか。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

まずは学生納付特例制度の概要を確認

学生納付特例制度とは、前年の所得が一定の基準以下(128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等)など、要件を満たす学生の方については申請により、国民年金保険料の納付が猶予される制度です。
 
国民年金(老齢基礎年金)を受け取るには、10年以上の保険料納付済期間が必要です。学生納付特例制度によって納付が猶予されていた期間は、この受給資格期間として扱われますが、実際に支給される国民年金の金額には反映されません。
 
つまり、猶予を受けている期間は保険料を支払わなくて済みますが、将来の年金額は減ってしまうということです。
 

猶予されていた間の保険料は追納できる

学生納付特例制度が適用され、猶予を受けていた期間の保険料は、10年以内であれば後から支払うことができます。これを追納といいます。
 
追納する場合、猶予を受けていた期間の2年度前までの保険料については同額になりますが、3年度以上前は当時の保険料に加えて一定の加算額を支払わなければなりません。そのため追納するのであれば、できるだけ早く行う方が有利です。
 

図表

出典:日本年金機構 「国民年金保険料の追納制度」
 
追納には申請、および承認が必要となります。手続きの詳細については、最寄りの年金事務所へお問い合わせください。
 

猶予されていた保険料を追納しないと年金はどれだけ減るの?

学生時代に納付を猶予されていた国民年金保険料は、必ず追納しなければならないわけではありません。しかし、先に述べたとおり、追納しないままでは将来受け取れる国民年金の金額が減ってしまいます。
 
実際にどれくらい減ってしまうのか、令和4年度に支給される国民年金額(保険料を480月納めた場合で満額の年77万7792円)をベースに考えてみます。
 

6ヶ月猶予されていた場合

専門学校生などで、20歳から就職までの6ヶ月間の猶予を受けていた方は、その後、追納しなかった場合の年金額は76万8070円です。
 
77万7792円×474(480月-6月)÷480月=76万8070円(1円未満を四捨五入、以下同)
 
追納した場合と比べて減少する年金額は、年換算で9722円になります。
 

2年間猶予されていた場合

大学生などで20歳から卒業までの2年間、猶予されていた方では、追納しなかった場合の年金額は74万1855円となります。
 
77万7792円×456(480月-24月)÷480月=73万8902円
 
追納した場合と比べて減少する年金額は、年3万8890円となります。
 

4年間猶予されていた場合

大学卒業後さらに進学したり、大学が6年生の学部で、例えば4年間猶予されたりしていた方は、追納しなかった場合の年金額は70万13円となります。
 
77万7792円×432(480月-48月)÷480=70万13円
 
追納した場合と比べて減少する年金額は、年7万7779円となります。
 

学生時代に猶予されていた保険料を追納しないと将来の年金額が減少

学生時代の国民年金保険料は、学生納付特例制度によって支払いが猶予されることがあります。
 
しかし、猶予されている期間の保険料を追納しないままでいると、将来受け取れる年金額が減少します。また、追納ができる期間は10年と決められています。
 
現在猶予を受けている、あるいは学生時代に猶予を受けていた方で、将来の国民年金を満額に近づけたいと考えている場合、早めに追納について検討してみてください。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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