会社員必見? 厚生年金が増額される「長期加入者の44年特例」とは?

配信日: 2022.04.29

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会社員必見? 厚生年金が増額される「長期加入者の44年特例」とは?
老後生活に老齢年金は欠かせない財源です。会社員や公務員が基礎年金の上乗せとして受給できる厚生年金に、受給額が増える特例があることをご存じでしょうか?
 
本記事では、厚生年金の「長期加入者の44年特例」について紹介します。
川辺拓也

執筆者:川辺拓也(かわべ たくや)

2級ファイナンシャルプランナー

長期加入者の44年特例とは?

「長期加入者の44年特例」を説明する前に、まず一般的な厚生年金の受給要件を紹介します。
 
厚生年金の受給要件は下記のとおりです。

1.原則として65歳から「報酬比例部分」と「定額部分」の受給が開始される
2.一定の要件があれば特別支給の老齢厚生年金が受給できる
3.特別支給の老齢厚生年金は報酬比例部分のみ受給が可能

65歳以前でも、一定の条件を満たせば「報酬比例部分」が受け取れます。そして「定額部分」は65歳からでないと受け取れません。
 
しかし厚生年金に44年以上加入していれば、65歳以前から「報酬比例部分」と「定額部分」が特別に受け取れる制度があります。この特別な制度を「長期加入者の44年特例」といいます。
 

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長期加入者の44年特例を受けるための条件とは?

では、長期加入者の44年特例が受けられる人はどのような条件を満たす必要があるのでしょうか?
 
基本的に、以下の3つの条件に当てはまると受給できます。

・厚生年金に44年以上被保険者としての期間がある
・厚生年金の被保険者資格がない
・報酬比例部分の受給ができる年齢であること

生計を維持している18歳未満の子どもや65歳未満の配偶者がいる場合、定額部分に加えて加給年金も受け取れます。このように、通常より手厚い保障を受けられるのが「長期加入者の44年特例」です。
 

長期加入者の44年特例を受け取れる実例はあるのか?

実際に44年もの間、厚生年金に加入し続けることは可能なのでしょうか。
 
ここからは実際に44年特例を受けられる実例をケースごとに紹介します。先ほどの44年特例を受けられる条件ごとに確認していきましょう。
 

長期加入者の44年特例が対象になる人はどんな人?

長期加入者の44年特例が対象になる人は「報酬比例部分を受給できて厚生年金に44年以上加入していた人」です。短大や大学卒業後にすぐ就職した場合、65歳を超えてしまうので対象となりません。
 
高校卒業後すぐ就職した場合は、44年以上厚生年金に加入しても65歳未満なので、対象になる人がいます。
 

公務員から会社員に転職した人は注意

厚生年金に44年以上加入していても特例の対象にならないケースもあります。例えば、公務員共済に加入していて、その後転職などをして会社員になったケースです。
 
日本年金機構によると、長期加入者の44年特例を満たす条件は「厚生年金保険被保険者期間・公務員共済組合に加入している厚生年金保険被保険者期間・私学共済に加入している被保険者期間のいずれか一つの期間のみで44年以上」と定義しています。
 
このように、加入期間が長かったとしても、途中で年金の種類が変わっている場合は対象とならないので注意してください。
 

退職時期は長期加入者の44年特例に該当しているかも踏まえて考えてみましょう

長期加入者の44年特例を、受給要件や該当しているケースに沿って紹介しました。
 
特例を受けるためには、基本的に厚生年金の加入資格を喪失していることが必要です。そのため、対象となる人は、いつのタイミングで退職をするかを考慮するポイントにしてみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 44年以上厚生年金保険に加入している特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給者が、退職などで被保険者でなくなったとき
 
執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランナー

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