更新日: 2022.05.27 国民年金

年金手帳に代わって基礎年金番号通知書の発行がスタート! 年金手帳の歴史を振り返る

執筆者 : 大泉稔

年金手帳に代わって基礎年金番号通知書の発行がスタート! 年金手帳の歴史を振り返る
2022年4月から、年金手帳が廃止され、基礎年金番号通知書の発行が始まりました。2022年4月以後に、国民年金の被保険者になる方が対象です。
 
国民年金の被保険者になる方とは、例えば、学生を含む20歳になる方や20歳未満でも就職された方などです。本稿では、年金手帳の歴史を振り返ってみたいと思います。
 
なお、すでに、年金手帳をお持ちの方には、年金手帳の再発行の場合を除き、基礎年金番号通知書は発行されませんので、お手元の年金手帳は大切に保管してください。

【PR】SBIスマイルのリースバック

おすすめポイント

・自宅の売却後もそのまま住み続けられます
・売却金のお使いみちに制限がないので自由に使えます
・家の維持にかかるコスト・リスクが無くなります
・ご年齢や収入に制限がないので、どなたでもお申し込みいただけます

大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

厚生年金の被保険者証

厚生年金保険の制度は、昭和17年6月から、労働者年金保険という名称で保険料の徴収が始まりました。保険料の徴収に先立ち昭和17年1月から『労働者年金保険被保険者台帳記号番号通知票』という被保険者証が発行されました。縦約13cm、横約18cmの2つ折りで、労働者年金の記号番号が記載されています。
 
その後、昭和19年10月に労働者年金保険が厚生年金保険に改まりましたが、『厚生年金保険被保険者証』は昭和19年6月から発行されました。縦約9.5cm、横約6.5cmと、労働者年金の被保険者証と比べ小さくなりました。厚生年金保険の記号番号が記載されています。
 
昭和29年5月に厚生年金保険の全面改正があり、厚生年金保険被保険者証も縦約9.5cm、横約13cmのカード型に変わりました。厚生年金保険の被保険者台帳の記号番号が記載されています。以後、昭和49年9月まで発行されていました。
 

【PR】SBIスマイルのリースバック

おすすめポイント

・自宅の売却後もそのまま住み続けられます
・まとまった資金を短期間で手に入れられます
・家の維持にかかるコスト・リスクが無くなります
・借り入れせずに資金を調達できます

国民年金手帳

主に自営業者を対象とした国民年金の制度は、昭和36年4月から保険料の徴収が始まりました。国民年金の被保険者には、昭和35年10月から国民年金手帳の発行が始まりました。縦約15cm、横約10.5cmのサイズの手帳です。
 
中身は、国民年金手帳の説明に始まり、国民年金の記号番号などのほか、国民年金の資格取得・喪失年月日の変遷の記入欄、国民年金印紙検認台紙、保険料納付方法、給付のしおり、必要な届出等を記載したページがあります。
 
国民年金手帳には5年分の国民年金印紙を貼ることができますので、国民年金手帳は5年ごとに更新されていました。また、更新のたびに表紙の色が異なり、水色・エビ色・薄橙色などがありました。国民年金手帳は、昭和49年9月まで発行されました。
 

年金手帳

昭和49年10月から、厚生年金保険、船員保険、国民年金の3つの制度に共通の年金手帳の発行が始まりました。厚生年金保険被保険者証には厚生年金保険の、国民年金手帳には国民年金の、それぞれ記号番号が記載されていましたが、年金手帳は表紙の裏に3つの制度の記号番号を記載する欄がありました。
 
表紙の色はオレンジ色で、サイズは国民年金手帳と同じく縦約15cm、横約10.5cmでした。
 
中身は住所の変遷を記録するページのほか、国民年金の記録(資格取得・喪失年月日、種別を記入する欄)、厚生年金保険・船員保険の記録(事業所名・船舶所有者名、所在地、資格取得・喪失年月日を記入する欄)、および届出手続き等のページがありました。
 
なお、平成9年1月から青色の表紙の年金手帳が発行されるようになりましたが、これは基礎年金番号制度の導入によるものです。表紙の裏には3つの制度の記号番号ではなく、基礎年金番号を記載する欄となっています。
 

複数の年金手帳を持っている場合

厚生年金保険被保険者証、国民年金手帳、年金手帳、いずれも被保険者の資格取得手続きを行った方を対象に発行され、「記号番号(または被保険者台帳の記号番号)」もしくは「基礎年金番号」が記載されています。
 
一度発行されると生涯にわたり、使用し続けていくものですが、転職等の都度、新たな記号番号、もしくは基礎年金番号が載った被保険者証や手帳などが発行されることもありました。
 
その場合には、1つにまとめる手続き(年金手帳記号番号重複取消届)が必要となります。冒頭に述べたように、年金手帳は発行されなくなりますが、過去に発行された被保険者証や手帳などが無効となってしまうわけではありませんので、保管しておく必要があります。
 
なお、過去に発行された被保険者証や手帳の再発行を依頼すると、基礎年金番号通知書が発行されます。皆さんが長期にわたり支払っていく年金。すでに年金手帳をお持ちの方は、さまざまなシーンで使用することがあるでしょう。
 
年金は将来、老後を支えてくれる重要な収入ですので、年金手帳の歴史を知り、今後の仕様変更などにも注視して、ご自身でも年金記録を正しく保管していきましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり P18/8.年金とライフステージ
日本年金機構 年金制度、被保険者証等の変遷(年表)
日本年金機構 日本年金機構からのお知らせ
日本年金機構 年金手帳に代わり基礎年金番号通知書を発行します
日本年金機構 基礎年金番号・年金手帳について
日本年金機構 Q年金手帳が複数あります。どうすればいいですか。
日本年金機構 年金手帳に代わる以前の『被保険者証』をお持ちではありませんか?
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役