更新日: 2022.06.03 国民年金

国民年金保険料の延滞金はいくら? 国民年金保険料を納付できない場合の対処法も解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

国民年金保険料の延滞金はいくら? 国民年金保険料を納付できない場合の対処法も解説
国民年金保険料を納付したいのにできない場合はどうすればよいのでしょうか? 収入の減少や出費が重なったのを理由に納付が厳しいと感じる人も多くいることでしょう。
 
国民年金保険料を納付しないと延滞金がかかったり、資産を差し押さえられたりするなどのリスクがあります。国民年金保険料の納付が難しいなら、保険料免除制度や保険料納付猶予制度の利用を検討しましょう。
 
当記事では、国民年金保険料の延滞金がかかるのはいつからなのか、納付ができないときの対処法を解説します。
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国民年金保険料の延滞金がかかるのはいつから?

国民年金保険料を納付できない場合、延滞金がかかるのは「督促状に記載されている指定期限を過ぎた後から」です。
 
国民年金保険料は、原則として翌月末日までに納付しないといけません。期限までに国民年金保険料を納付しない場合、納付勧奨を実施されます。次に、国民年金保険料の支払い能力がありながらも、納付意思がないと判断されたら最終催告状が届きます。
 
最終催告状に記載した指定期限までに国民年金保険料の納付がない場合、最終的に督促状が届く流れです。

 

国民年金保険料の延滞金の計算方法

国民年金保険料の延滞金は、督促状の指定期限の翌日から納付日の前日までの日数に応じ、保険料額に一定の割合を乗じて算出します。
 

・各月の国民年金保険料額 × 延滞金の割合A × 納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日までの日数 ÷ 365(日) = 金額(1)
・各月の国民年金保険料額 × 延滞金の割合B × 納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日の翌日以降、納付の日の前日までの日数 ÷ 365(日)= 金額(2)

 
金額(1)と金額(2)を合算した金額が延滞金です。
 
なお、延滞が3ヶ月を超えるかどうかで算出基準となる遅延損害金割合が変わってきます。日本年金機構の公式サイトでは、令和4年1月1日から12月31日の延滞金の割合を以下のように伝えているので参考にしてください。
 

・延滞金の割合A(納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日まで):2.4%
・延滞金の割合B(納付期限の翌日から3ヶ月を経過する日の翌日以降):8.7%

 

2年以内なら国民年金保険料を後から納められる

国民年金保険料は2年以内なら後で納めることが可能です。2年を過ぎてしまったら納付ができません。
 
国民年金の未納期間がある場合、将来的な年金受給額が少なくなる、納付期間が10年に満たない場合は年金がもらえなくなるといったデメリットがあります。そのほかにも、けがや病気で障害認定を受けた際に受給できる障害年金、配偶者を亡くした際に受け取れる遺族年金を受給できなくなる恐れがあります。
 
国民年金の未納は、老後資金だけでなく自分のための十分な備えもできなくなるので注意しましょう。

 

国民年金保険料を納付できないときの対処法

国民年金保険料を納付できないときの対処法として、保険料の納付が経済的に困難な場合、保険料の納付が「免除」または「猶予」される以下の制度があります。
 

・保険料免除制度
・保険料納付猶予制度

 
また、この制度を利用することで、将来の年金受給資格の確保だけでなく、障害年金や遺族年金の受給資格を確保することができます。

 
ただし、本人や家族の所得が一定額以下であることなど、いくつかの条件をクリアしないと制度の利用は難しいです。国民年金保険料の納付が難しいと思ったら、まずは年金事務所に相談してみましょう。

 

保険料免除制度

国民年金の納付が経済的に難しい場合、保険料免除制度を利用すれば納付の免除を受けられます。対象になるのは、所得が少ない、本人・世帯主・配偶者の前年所得(1~6月までの申請は前々年所得)が一定額以下、失業中といった人です。
 
免除額は全額免除、4分の3免除、2分の1(半額)免除、4分の1免除の4種類です。免除分の国民年金保険料は支払わなくてもよい制度ですが、その分だけ老後に受給できる年金額が少なくなるので注意してください。

 

保険料納付猶予制度

保険料納付猶予制度は、20~50歳未満で本人と配偶者の前年度所得が一定額以下(1~6月までの申請は前々年所得が対象)の人を対象にした制度です。年金事務所に申請書を提出して承認されれば、国民年金保険料の納付が猶予されます。
 
納付猶予制度は、保険料免除制度とは異なり支払いを猶予されるだけです。猶予された国民年金保険料を納付しない場合、将来の年金受給額が少なくなってしまいます。

 

免除・猶予期間中の国民年金保険料を後から納付できる「追納制度」

保険料免除や納付の猶予を受けた期間がある場合、追納制度を利用すれば将来の年金受給額を満額近くまで増やせます。ただし、いつでも追納できるわけではありません。さかのぼれるのは、追納が承認された月から10年までと定められています。
 
例えば、2022年の6月に追納が承認されたら、追納できるのは2012年の6月以降に未納となった国民年金保険料です。それ以前の追納はできないので早めに納付を行ってください。

 

資金を適切に管理して国民年金保険料を納付しよう

国民年金は、20~60歳未満の人に加入が義務付けられています。国民年金を満額で受給するには、資金を適切に管理して保険料の納付を欠かさないようにしないといけません。
 
減収や失業などで、経済的に余裕がなくて国民年金保険料の納付が難しい場合、早い段階で免除や猶予を受けることを検討してください。年金事務所に申請して承認がおりれば、免除・猶予を受けられます。
 
しかし、免除や猶予を受けても、将来的な年金受給額が減るのは避けたいところです。10年までなら国民年金保険料の追納が可能なので、資金に余裕ができたら、免除・猶予期間の国民年金保険料を納付しましょう。

 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の延滞金
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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