いまさら聞けない「年金生活者支援給付金制度」の仕組み。要件や給付額は?

配信日: 2022.06.14

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いまさら聞けない「年金生活者支援給付金制度」の仕組み。要件や給付額は?
国民が健康で安定した生活を送れるように支給されている年金ですが、中には年金だけでは生活が苦しい人もいます。
 
そのような人を支援する制度として、「年金生活者支援給付金制度」があるのですが、どのような制度であるのか、自分は利用できるのかが分からないという人もいることでしょう。
 
そこでこの記事では、年金生活者支援給付金制度の仕組みや、利用できる人の要件、具体的な給付額について分かりやすく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金生活者支援給付金制度とは

年金生活者支援給付金制度は2019年10月、消費税が10%に引き上げられたことに伴い施行された制度です。消費税の増税により、生活が苦しくなる低所得の年金生活者の負担を軽くするために設けられました。
 
支給要件を満たしていて、年金が全額支給停止となっているなどの事由に該当していない対象者は、通常受給している年金に上乗せして給付金を受け取れる仕組みです。
 

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種類別にみる! 年金生活者支援給付金の支給要件と支給額

年金生活者支援給付金には、老齢(補足的老齢)生活者支援給付金、障害年金生活者支援給付金、遺族年金生活者支援給付金の3種類があり、種類によって支給要件や支給額が異なります。
 

老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金

支給要件は以下の3つです。

1.老齢基礎年金を受け取っている65歳以上であること
2.同じ世帯の人全員が市町村民税非課税であること
3.前年に受けた年金の収入額とそのほかの所得額を合わせた金額が88万1200円以下であること

また、給付額は保険料納付済期間などから算出されるため、人によってさまざまです。
では、2022年4月1日現在の計算式をみてみましょう。
(計算式の数字は、毎年度の物価や老齢基礎年金額の改定などによって変わります)
 
前年の年金の収入額とそのほかの所得額の合計額が78万1200円以下の場合には、保険料納付済期間に基づく額(月額)と保険料免除期間に基づく額(月額)の合計が給付額となります。
 
一方、前年の年金の収入額とそのほかの所得額の合計額が78万1200円を超え、88万1200円以下の場合は、保険料納付済期間に基づく額(月額)に、「(88万1200円-前年の年金収入と所得の合計額)÷10万円」を乗じた金額が給付額となります。
 
保険料納付済期間に基づく額(月額)は「5020円×保険料納付済期間÷480月」で、保険料免除期間に基づく額(月額)は「1万802円(※1)×保険料免除期間÷480月」で算出します。
 
(※1)保険料全額免除、4分の3免除、半額免除期間は1万802円[老齢基礎年金満額(月額)の6分の1]、保険料4分の1免除期間は5401円[老齢基礎年金満額(月額)の12分の1]。毎年度の老齢基礎年金の額の改定に応じて変動します。
 
ただし、1941年4月1日以前に生まれた人は、生年月日に応じて計算式の被保険者月数(480月)が変わるため注意しましょう。
 

障害年金生活者支援給付金

支給要件は以下の2つです。

1.障害基礎年金を受けていること
2.前年の所得が「472万1000円+扶養親族の数×38万円(※2)」以下であること

 
(※2)「38万円」は、生計を一にする70歳以上の配偶者あるいは老人扶養親族(70歳以上の控除対象扶養親族)の場合は48万円に、特定扶養親族(19歳以上23歳未満の控除対象扶養親族)あるいは16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円になります。

また、給付額は障害等級と物価により決まり、2022年4月1日現在では、2級の人には月額5020円、1級の人には月額6275円が支給されます。
 

遺族年金生活者支援給付金

支給要件は以下の2つです。

1.遺族基礎年金を受給していること
2.前年の所得額が「472万1000円+扶養親族の数×38万円(※3)」以下であること

 
(※3)「38万円」は、障害年金生活者支援給付金の要件と同様に、生計を一にする70歳以上の配偶者あるいは老人扶養親族の場合は48万円に、特定扶養親族(19歳以上23歳未満の控除対象扶養親族)あるいは16歳以上19歳未満の扶養親族の場合は63万円になります。

また、給付額は物価の変動により変わりますが、2022年4月1日現在では、月額5020円です。遺族基礎年金を受給している子どもが2人以上いる場合には「5020円÷子どもの人数」がそれぞれの子どもに支給されます。
 

年金生活者支援給付金は低所得の年金受給者にとって生活の助けになる制度! 利用したい人は早めに手続きを

年金生活者支援給付金には3つの種類があり、いずれも対象者であれば給付金を受け取れます。
 
ただし、実際に給付金を受け取るためには、自ら年金生活者支援給付金の認定請求手続きを行わなければなりません。受給の対象であるからといって、自動的にお金が振り込まれることはないため注意が必要です。
 
対象者で給付金を受けたい人は、忘れないように早めに手続きを済ませておくとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 年金生活者支援給付金
日本年金機構 年金生活者支援給付金制度について
日本年金機構 老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要
日本年金機構 障害年金生活者支援給付金の概要
日本年金機構 遺族年金生活者支援給付金の概要
国税庁 老人扶養親族
国税庁 特定扶養親族
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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