公的年金シミュレーターで年金額が“見える”!? 【ねんきん定期便がなくてもOK】

配信日: 2022.06.15

この記事は約 4 分で読めます。
公的年金シミュレーターで年金額が“見える”!? 【ねんきん定期便がなくてもOK】
厚生労働省では、2022年4月25日から、令和2年年金改正法の周知や働き方・暮らし方の変化に伴う年金額の変化の「見える化」を目的として、公的年金シミュレーターの試験運用を行っています。誰でもパソコンやスマートフォンで利用できます。
 
ねんきん定期便の2次元コードを読み込むことで、簡単にシミュレーションができますが、年金定期便がなくても、情報を入力することで利用できます。
 
本稿では、ねんきん定期便がない場合の公的年金シミュレーターの利用について、考えてみたいと思います。
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

入力手順

厚生労働省の「公的年金シミュレーター」(※)を使って確認してみましょう。
 
まず、生年月日を入力後、「試算する」をクリックすると、「働き方と暮らし方」の画面に遷移します。
 
「働き方と暮らし方」の選択は以下の6つの中から選択します。
 

国民年金第1号:自営業・フリーランス
国民年金第1号:パート・アルバイト、
国民年金第1号:学生・働いていない
厚生年金:会社員・公務員
厚生年金:パート・アルバイト
国民年金第3号:配偶者の扶養

そして、「働き方と暮らし方」の期間については「年齢」で設定します。
 
「働き方と暮らし方」に変化があれば「+働き方・暮らし方の追加」をクリックすると、2つ目の「働き方と暮らし方」の選択や「期間」の入力ができますので、転職等に対応することができますが、最大5つまでです。
 
なお、入力されない期間があると保険料が未納扱いとされてしまいます。
 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

被保険者の種別による入力の違い

「働き方と暮らし方」で国民年金第1号を選択すると「付加納付(=付加保険料)」の有無を入力します。
 
「働き方と暮らし方」で厚生年金を選択すると「年収」を入力できます。
 
「試算する」をクリックすると、「あなたの年金見込み受給額」がグラフとともに表示されます。
 

年金見込み受給額の表示

年金見込み受給額は、千円以下を四捨五入した万円単位の「老齢年金」として表示され、老齢基礎年金や老齢厚生年金の内訳までは表示されません。
 
また、特別支給の老齢厚生年金も表示されません。加給年金や振替加算も含まれません。
 
ちなみに、障害年金、遺族年金等は試算できません。
 
60歳以後も、厚生年金保険の被保険者として働き続けた場合には「今後の年収」と「就労完了年齢」に、それぞれ数字を入れるなどの操作を行うと、見込み受給額に反映します。
 
なお「働き方と暮らし方」で「学生・働いていない」を選び「20歳」~「59歳(60以上の数字は入力できない)」と入力すると、「今後の年収」と「就労可能年齢」ともに入力できません。
 
老齢厚生年金を受け取りながら、厚生年金保険の被保険者として勤める、在職老齢年金についても反映します。「受給開始年齢」に数字を入れるなどの操作を行うと、繰り上げや繰り下げの見込み受給額をシミュレーションできます。
 

公的年金シミュレーター、利用の留意点

公的年金シミュレーターは「月単位」の入力ができません。つまり、ある年、1年の間に国民年金(失業中など)と厚生年金保険(会社員など)の両方の期間があったとしても、期間の重複ができません。
 
「働き方と暮らし方」に変化がなくても、昇給などで年収に変化があった場合には、先述のとおり「+働き方・暮らし方の追加」をクリックすれば入力できますが、最大5つまでです。
 
このことは、転職など、「働き方と暮らし方」の変化の数が多い方も入力件数に限度がありますのでご留意ください。
 
厚生年金保険の方の年収は、厚生年金保険では通勤手当等も含めて計算する点にも注意が必要です。
 
また、平成15年3月までの厚生年金保険は賞与からの徴収がありません。つまり、平成15年3月までの厚生年金保険の加入期間がある方については、年収を入力する場合、賞与を差し引かなくてはなりません。
 
入力した「年収」のうち15%を賞与として割り振っているようですので、年収のうち、賞与が占める割合が大きい方は、かけ離れた試算になるかもしれません。
 
国民年金の免除ですが、厚生労働省のサイト等によれば、「月単位で免除の入力ができる」とありますが、筆者がシミュレーターのサイト見る限りでは、免除の入力箇所を確認できません。
 
また、60歳以後の国民年金の任意加入にも対応していません。
 
「あなたの年金見込み受給額」では、「繰り下げ」の試算ができることは先述のとおりなのですが、「老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方」を繰り下げた場合の試算のみです。
 
つまり、「老齢基礎年金のみを繰り下げた場合」や「老齢厚生年金のみを繰り下げた場合」等の試算はできません。
 
「入力した情報」はウェブ上には残らず、CSV形式で出力することができます。まずは、試してみてはいかがでしょうか。
 

出典

(※)
厚生労働省 公的年金シミュレーター

日本年金機構 報酬比例部分
日本年金機構 公的年金の種類と加入する制度
厚生労働省 公的年金シミュレーターの利用に当たってのご留意事項
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集