更新日: 2022.06.23 iDeCo(確定拠出年金)
iDeCoの積み立て途中で転職や退職をしたら、運用している資産はどうなるの?
勤務先に企業年金制度がないから、iDeCoに加入したという人もいることでしょう。新たな勤務先に企業型確定拠出年金がある場合、それまで積み立ててきた資産が無駄になってしまうのではないかと心配になるのも、無理はありません。
この記事では、iDeCo積み立て中に転職や退職をした場合の対処方法を、条件別に解説します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
転職先で確定給付企業年金(DB)、あるいは企業型確定拠出年金(DC)に加入する場合
転職先に確定給付企業年金(DB)制度がある場合は、まず、確定給付企業年金の規約を確認する必要があります。iDeCoの資産を確定給付企業年金に移管できる場合と、できない場合があるからです。
規約で、確定拠出年金の個人別管理資産を受け入れるとしている場合のみ、iDeCoで運用していた資産を、転職先の確定給付企業年金へ移換できますので、転職先の人事・労務担当者に確認してみてください。
転職先の企業が企業型拠出年金(DC)を採用している場合は、企業型確定拠出年金規約の確認が必要です。企業型と個人型の確定拠出年金を、併用できる場合があるからです。
併用が認められていて、引き続きiDeCoに加入する場合は、iDeCo加入者の国民年金にかかわる被保険者種別や登録事業所を変更する手続きが必要です。
併用が認められていない場合は、iDeCoの加入資格を失うので、「加入者資格喪失届」を提出して、iDeCoの資産を企業型確定拠出年金に移す手続きをします。詳しい移管手続きの方法についても、転職先の人事・労務担当者に確認しましょう。
なお、2022年10月以降は要件緩和により、ほぼ無条件で企業型確定拠出年金とiDeCoの併用が可能になります。
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転職先で確定給付企業年金(DB)や企業型確定拠出年金(DC)に加入しない場合
引き続きiDeCoに加入することができます。ただし、国民年金にかかわる被保険者種別、または登録事業所を変更する手続きが必要です。
国民年金の第1号、第3号被保険者が厚生年金適用事業所に転職した場合は、国民年金の種別が第2号被保険者に変わります。第2号被保険者用の「加入者被保険者種別変更届」に、転職先企業が記入した「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を添付して、運用管理機関に提出しなければなりません。
第2号加入者が厚生年金の適用事業所に転職した場合は、「加入者登録事業所変更届」に、転職先企業が記入した「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を添付して運用管理機関に提出します。
退職して自営業者や専業主婦等になる場合は?
退職して自営業者になるなど、国民年金第1号被保険者になる場合は、iDeCoに引き続き加入できます。ただし、加入者の国民年金に関わる被保険者種別を変更する手続きをしなければなりません。
国民年金の第2号、第3号被保険者が第1号被保険者になった場合は、第1号被保険者用の「加入者被保険者種別変更届」を、運営管理機関に提出しなければなりません。
また、退職して専業主婦(主夫)等になるなど国民年金第3号被保険者になる場合も、iDeCoに引き続き加入できます。この場合も、加入者の国民年金に関わる被保険者種別を変更する手続きが必要なので忘れずに手続きしましょう。
国民年金の第1号、第2号被保険者が第3号被保険者になる場合は、第3号被保険者用の「加入者被保険者種別変更届」を運営管理機関に提出します。
国民年金任意加入被保険者になった場合も、同様です。
iDeCoに引き続き加入できますが、加入者の国民年金に関わる被保険者種別を変更する手続きをしなければなりません。国民年金の第1号、第2号、第3号加入者が任意加入被保険者になった場合は、任意加入被保険者用の「加入者被保険者種別変更届」を、運営管理機関に提出します。
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引き続き加入する場合も手続きを忘れずに
iDeCoに引き続き加入できるかどうかは、転職先の年金制度によります。転職先の人事・労務管理者に規約等を確認して、適切な手続きを取りましょう。また、2022年10月より、企業型確定拠出年金(DC)とiDeCoが併用できるよう、要件が緩和されますが、こうした制度変更のチェックも大切です。
そして資産を移管する場合はもちろん、引き続き加入する場合でも、登録事業所や転職・退職後の被保険者種別が変われば、手続きが必要です。
退職後に就職せず、年金の種別が変わるだけの場合も、手続きを忘れないように注意しましょう。
出典
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト 転職・退職された方へ
厚生労働省 確定拠出年金制度の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部