更新日: 2022.06.29 年金

事実婚でも遺族年金を受け取ることができる? 事実婚を証明するにはどうすればいい?

執筆者 : 飯田道子

事実婚でも遺族年金を受け取ることができる? 事実婚を証明するにはどうすればいい?
パートナーとの暮らし方は、カップルによりさまざまです。最近では婚姻届を出さずに、内縁関係で暮らしているカップル、いわゆる事実婚も少なくありません。
 
そこで気になるのは、遺族年金のことです。事実婚として長年連れ添っている場合には、遺族年金は受け取ることができるのでしょうか? 
 
今回は、内縁の妻(夫)に焦点をあて、その内容を確認してみましょう。
 
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

https://paradisewave.jimdo.com/

遺族年金は生計を維持されていた遺族が受け取ることができる

結論からいうと、内縁関係、いわゆる事実婚であっても、妻(夫)は遺族年金を受け取ることは可能です。とはいえ、無条件に誰でも受け取れるわけではありません。

基本的に遺族年金の場合には、死亡した人から生計を維持されていた(1)子のいる配偶者と(2)子、が受け取ることができます。一般的には、戸籍上の家族関係で扶養されていると考えると分かりやすいでしょう。

[出典:日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額) ※]
 
では、事実婚のケースではどのようになるのでしょうか?
 
事実婚で遺族年金を受け取るためには、(1)亡くなった人との生計の維持関係があること、このほかに、(2)事実婚として認定されること、が必要になります。
 

生計の維持関係とはどのようなケース?

まず押さえておくべきポイント、生計の維持関係とはどのような状況なのかを考えてみましょう。

(1) 死亡当時住民票上同一世帯に属しているとき
 
(2) 死亡当時住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき

・世帯が別であっても、住所が住民票上同じケースです。
 
(3) 住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき
1. 現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
 
2. 単身赴任、就学または病気療養等のやむを得ない事情により住所が住民票上異なっているが、次のような事実が認められ、その事情が消滅したときは、起居を共にし、消費生活上の家計を一にすると認められるとき
・生活費、療養費等の経済的な援助が行われていること
・定期的に音信、訪問が行われていること
・健康保険の被扶養者である など

(3) は分かりにくいかもしれませんが、簡単にいえば、経済的な援助があり定期的に連絡を取りあっていること、といい替えられます。
 
以上が生計の維持関係があると認められる要件となります。そのほかにも収入要件があり、前年の年収が850万円未満であることなどが必要です。
 

事実婚はどうやって証明する?

遺族年金を受け取るときには、「自分たちは事実婚(内縁関係)だった」と主張するのではなく、それを証明する資料の提出が複数必要になります。

(1) 健康保険の被保険者になっているときには健康保険証の写し
(2) 給与を受け取るとき、扶養となっているときには給与簿または賃金台帳等の写し
(3) 同一人の死亡について、他制度から遺族給付が行われているときには、他制度の年金証書の写し
(4) 1年以内に挙式・披露宴が行われているときには結婚式場の証明書または披露宴を実施したことが分かる書類
(5) 葬儀の喪主になっているときには会葬御礼の写し等
(6) その他

・連名の郵便物
・内縁の夫が妻の、内縁の妻が夫の公共料金を支払っているときには、その領収証
・内縁の夫(妻)が保険料を支払い、死亡保険金の受取人が内縁の妻(夫)のときには、保険証券
・内縁の夫(妻)に未払いの税金があり内縁の妻(夫)が支払ったときには、その領収証
・賃貸で同居しているときには同居の確認の他に、入居者の続柄に「未届けの妻(夫)」「婚約者」「内縁」等と記載されているときには、賃貸借契約書の写しなど複数点

「事実婚ってどう証明すればよいの?」と思っていた人の中には、証明できる書類は意外とあると思った方もいらっしゃるかもしれません。
 
遺族年金を請求するときには、すべての書類を提出するようにしましょう。一見無駄なように思えても、有効な資料になることは少なくありません。また、申請書はできるだけ詳細に書くようにしてください。
 
提出する書類は、すべてコピーを取るなどして保全をしておきましょう。立場はあくまでも内縁のため、自分を守るためには対策は必要です。
 

出典

(※)日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者:飯田道子
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

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