更新日: 2022.06.30 国民年金

国民年金基金は「一生涯受け取れる」って本当? iDeCoにはない魅力を紹介

国民年金基金は「一生涯受け取れる」って本当? iDeCoにはない魅力を紹介
公的年金の不足分を補う老後対策として厚生労働省はiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の普及、推進に取り組んでいますが、老後の生活資金を準備するには、国民年金基金に加入するという選択肢もあります。
 
本記事では、国民年金基金の基本的な仕組みを紹介した上で、iDeCoとの比較を踏まえつつ、制度を利用することにどのようなメリットがあるか解説します。
西岡秀泰

執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)

社会保険労務士・FP2級

国民年金基金の概要

国民年金基金は、自営業者などの国民年金第1号被保険者を対象とした、任意加入の年金制度です。厚生年金を受け取ることができる会社員との間で不公平感が生じないよう、年金制度全体としてバランスをとるために設けられている制度です。
 
図表1


出典:全国国民年金基金 「国民年金基金とは」
 
国民年金基金の主な特徴は次の通りです。


・加入できるのは国民年金の第1号被保険者または国民年金に任意加入している人

・1ヶ月の掛け金上限は6万8000円、払い込みは60歳まで。口数は任意で選択できる

・65歳から一生涯受け取れる終身年金の性質がある(1口目のみ)

国民年金基金の1口目は、A型(15年保証期間付終身年金)またはB型(保証期間のない終身年金)から選択します。2口目からは、A型またはB型の終身年金やⅠ型からⅤ型の確定年金から選択できます。各年金のイメージは図表2の通りです。
 
図表2


出典:全国国民年金基金 「国民年金基金とは」
 
毎月の掛け金や将来の年金額は、加入年齢や性別、年金の型によって異なります。男性がA型に1口加入した場合、加入年齢ごとの掛け金と年金額は図表3の通りです。
 
図表3

出典:全国国民年金基金 「年金額シミュレーション」より筆者作成
 
40歳から60歳まで掛け金を支払い65歳から年金を受け取る場合、82歳まで受給すれば支払った掛け金を上回る年金が受け取れます。80歳までに亡くなった場合、15年の保証期間があるため、遺族が年金を受け取ることができます。
 
※実際の給付金額や期間については状況によって変化する可能性があります
 

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国民年金基金のメリット

国民年金基金にはさまざまなメリットがあります。それぞれの利点を、iDeCoと比較しながら紹介します。
 

税制上の優遇措置が受けられる

まず、国民年金基金には税制上の優遇措置が設けられています。


・掛け金は社会保険料控除の対象で全額所得控除される
・受け取る年金は公的年金控除の対象となる

このように国民年金基金はiDeCoと同様、掛け金だけでなく受け取る際にも税制優遇を受けることができます。
 

一生涯、年金をもらえる

iDeCoにはない国民年金基金の魅力として、終身年金の型を選択した場合、「長生きリスク」に備えられることが 挙げられます。
 
元気でいる時間が延びるほど老後に必要となる生活資金も増大し、老後破綻のリスクも高まります。終身年金であれば一生涯年金がもらえますので、安心して長生きすることができます。
 

長生きリスクに備えるには国民年金基金も選択肢の1つ

このように老後対策において、国民年金基金はさまざまなメリットのある手段の1つです。ただ、iDeCoと違って給付額が決まっているため、運用商品を選ぶことで投資効率を上げたり、インフレ対策をしたりといった工夫ができないなどのデメリットもあります。
 
国民年金基金を利用すべきか迷った時は、ここで紹介したポイントをしっかり理解した上で、自分のライフプランに適した制度かを検討してみてください。
 

出典

全国国民年金基金 国民年金基金とは
全国国民年金基金 年金額シミュレーション
 
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級

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