更新日: 2022.07.04 その他年金

年金の受給年齢は最大75歳まで変更可能。65歳と75歳、10年違うと月の受給額いくら違う?

年金の受給年齢は最大75歳まで変更可能。65歳と75歳、10年違うと月の受給額いくら違う?
老後の年金受給開始は65歳ですが、75歳まで繰下げできることをご存じでしょうか? 受給開始を遅らせるメリットは、毎月の受給額が増えることです。受給開始を遅らせた月数に応じて、毎月の受給額が増加します。
 
では、65歳から年金を受給した場合と、75歳から年金を受給する場合とでは、毎月の受給額はどれくらい違うのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

年金受給を繰下げた場合の増額率は最大84%

 
年金の受給開始年齢を繰下げて毎月の受給額を増やす「繰下げ」は、どのような制度になっているのでしょうか。
 
まず、国民年金に加入している方が受け取れる老齢基礎年金と、企業で働いている方や公務員の方が受け取れる老齢厚生年金それぞれの受給額が増額されます。また、老齢厚生年金と老齢基礎年金の繰下げは別々に行うことができます。増額率は一生変わりません。
 
増額率は最大84%で、条件によっては年金受給額を倍近くも増やせます。
 

繰下げした期間により年金額が増額される

年金受給開始繰下げによる年金受給額の増額率は、繰下げした期間が増えるほど高くなります。
 
例えば66歳3ヶ月で受給する場合でも、増額率は10.5%となっており、決して少なくありません。増額率は繰下げした月数×0.7%と設定されているので、そこからそれぞれの収入や健康状態などの事情に合わせて生活設計ができます。

 

年金受給を繰下げた場合の繰下げ加算額の計算方法

受給開始を繰下げた場合の年金受給額の加算額は、年金受給額の増額率から計算できます。老齢基礎年金と老齢厚生年金それぞれの受給額に増額率をかけて算出します。
 
年金受給額の増額率は以下の計算式で算出するほか、図表1の早見表で確認できるので、チェックしてみてください。
 
<繰下げ加算額の計算式>
 
増額率=0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数
 
【図表1】

出典:日本年金機構 年金の繰下げ受給 繰下げ増額率早見表
 

【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資

【PR】J.P.Returns

おすすめポイント

・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる

年金受給開始を10年遅らせると老齢基礎年金の受給額は月5万4445円増える

年金の受給開始は、最大で75歳まで変更可能です。年金受給開始が10年遅くなった場合、年金の受給額がどれくらい違ってくるか、実際の数値に当てはめて計算してみましょう。
 
老齢厚生年金はすべての方が対象となるわけではないので、ここでは、老齢基礎年金の加算額について見ていきます。なお、老齢基礎年金は満額を受給できるものとします。
 

老齢基礎年金を75歳から受給する場合の年金額

老齢基礎年金を満額受給する場合、65歳から受給できる令和4年4月分の年金額は月額6万4816円です。
 
このケースで、年金受給開始を75歳0ヶ月まで繰下げる場合、年金受給額の増額率は84%なので、年金受給額は月額11万9261円となります。
 

65歳と75歳、10年違うと老齢基礎年金の年間受給額は約65万円も違う

上記のとおり、老齢基礎年金を65歳から満額受給する場合の令和4年4月分の受給額は月額6万4816円、75歳から受給する場合は月額11万9261円です。その差額は、5万4445円。1年間の受給額の差は、65万3340円になります。
 
受給開始が10年違うと、年間でおよそ65万円もの差がつくのです。しかも、この金額は実はこれは老齢基礎年金にかぎった加算額なので、老齢厚生年金も受給する場合はより多く年金を増やせます。
 
ただし、年金受給開始を75歳まで遅らせた場合、65歳からの10年間を年金収入なしで生活しなければならない点に注意が必要です。年金受給開始を遅らせる場合は、年金受給開始までの生活を支えるための収入源をしっかり確保しておきましょう。
 
また、年金の受給開始を遅らせたことで受給額が増えると、健康保険料や介護保険料、住民税に影響する可能性があることを認識しておく必要があります。
 

年金の受給開始が10年違うと受給額に大きな違いが出る

年金の受給開始を65歳から75歳まで繰下げることで、毎月の受給額に大きな違いが出てきます。
 
繰下げの最大年数は10年ですが、それぞれの事情に合わせて5年、1年、あるいは数ヶ月遅らせるだけでも受給額を増やせるので、老後の生活設計をする際に受給開始の繰下げをぜひ検討してみましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集