更新日: 2022.07.05 国民年金
「60歳から年金を増やす方法」って? 国民年金の「任意加入」と「付加保険料」でどれだけ増えるの?
しかし、65歳から年金を受け取りたいが、老齢年金を増額できないかと考えている人もいることでしょう。このような場合におすすめしたいのが、国民年金の任意加入と付加保険料の納付です。
今回の記事では、国民年金の任意加入と付加保険料について解説します。年金額がどれだけ増えるかについても説明しますので、活用を検討してみましょう。
執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)
社会保険労務士・FP2級
目次
国民年金保険料の支払いは60歳まで、支給開始は原則65歳
初めに、公的年金の保険料の支払期間と支給開始年齢について確認しましょう。
国民年金保険料の支払いは60歳までです。会社員などの場合は60歳以降も仕事を続けた場合、70歳まで厚生年金保険料を支払うのに対し、自営業者などの場合は60歳で保険料の払い込みが完了します。
一方、老齢年金の支給開始年齢は原則65歳からです。下記の条件に該当する人は、65歳前に厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)を受給できますが、それ以外の人は原則65歳からです。
●男性:1961年(昭和36年)4月1日以前生まれの人
●女性:1966年(昭和41年)4月1日以前生まれの人
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国民年金に任意加入して年金額を増やす
国民年金の任意加入とは、払い込みの終わった国民年金保険料を、60歳から65歳までの間も引き続き、任意で掛けられる制度です。60歳以降も保険料を払い込むことで、65歳以降に受け取る老齢基礎年金が増額します。任意加入できるのは、次の条件を満たす人です。
●日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人
●老齢基礎年金の繰り上げ支給を受けていない人
●20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)未満の人
●厚生年金保険、共済組合などに加入していない人 など
任意加入の保険料は、60歳までの国民年金加入者と同額の1万6590円(2022年度)です。老齢基礎年金の額は、保険料納付月数に比例して増えます。計算式は、次の通りです
・老齢基礎年金額=77万7800円×保険料納付月数÷480ヶ月
保険料を60歳から65歳まで5年間(60ヶ月)納付しますと、年金額は9万7225円(=77万7800円×60ヶ月÷480ヶ月)増加します。任意加入した保険料の累計は99万5400円となるため、65歳から75歳までの約10年間、年金を受給しますと元が取れる計算になります。
また、85歳まで生存して年金を受給しますと、払い込んだ保険料の約2倍の年金を受け取れます。長生きするほどより多くの年金が受け取れるため、「長生きリスク」(長生きすることによって老後の生活資金が足りなくなるリスク)に備えることができます。
付加保険料を納付して年金額を増やす
国民年金に任意加入する場合、月額400円の付加保険料を上乗せして国民年金保険料を支払うことをおすすめします。付加保険料を上乗せすることで、老齢基礎年金に付加年金が加算されるからです。
付加保険料の納付によって加算される年金額は、保険料1回の納付につき200円です。60歳から65歳まで納付しますと付加保険料の累計は2万4000円、付加年金額は1万2000円になります。つまり、支払った付加保険料は、2年間年金を受給しますと元が取れることになります。85歳まで20年間年金を受給しますと、払込保険料の10倍の年金が受け取れる計算です。
付加保険料は任意加入だけでなく、60歳までの国民年金保険料にも上乗せできるため、国民年金第1号被保険者の人(自営業者など)はすぐにでも納付を検討しましょう。
国民年金の任意加入と付加保険料は長生きするほどお得な制度
60歳から老齢年金を増額したいと考えている人は、国民年金の任意加入と付加保険料を検討してみましょう。国民年金は約10年、付加保険料は2年、老齢年金を受給しますと元が取れます。
老齢年金は終身年金で長生きするほど多くの年金を受け取れるため、長生きリスクへの備えとしても有効です。
出典
日本年金機構 任意加入制度
日本年金機構 付加保険料の納付のご案内
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級