更新日: 2022.07.05 その他年金
【年額約39万!】老齢年金に加算される「加給年金」とは? 厚生年金に20年加入するメリットも解説
今回の記事では、加給年金制度について解説します。年金版“家族手当”ともいわれる加給年金が加算されるのは、厚生年金または共済年金に20年以上加入した人に限定されるため、制度内容をよく理解した上でご自身が加入している年金制度を見直してみましょう。
執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)
社会保険労務士・FP2級
加給年金とは
加給年金は、厚生年金または共済年金に20年以上加入した人に、生計を維持されていた配偶者や子どもがいる人が、65歳から受け取る自身の老齢厚生年金に加算して支給される年金です。対象者には自動的に加算されるので、手続きは不要です。
加給年金が支給される要件
加給年金が支給される本人や配偶者、子どもの要件は次の通りです。
●本人:厚生年金または共済年金に20年以上加入した65歳以上の人
●配偶者:65歳未満
●子ども:18歳になる年度の3月31 日までの子、または障害年金の障害等級 1級 ・ 2 級の20歳未満の子
加給年金額と支給期間
加給年金額は、条件に該当する配偶者や子どもの有無によって、変わってきます。
●配偶者:38万8900円(2022年度、以下同様)
●1人目・2人目の子ども:1人につき22万3800円
●3人目以降の子ども:1人につき7万4800円
65歳の人で条件に該当する子どもがいるケースは少ないですが、年下の配偶者がいれば年額38万8900円の加給年金が支給されます。なお、配偶者に対する加給年金のことを配偶者加給と呼ぶこともあります。
加給年金が支給されるのは、本人が65歳になったときから配偶者や子どもが次の年齢に到達するまでの間です。
●配偶者:65歳
●子ども:18歳(障害年金の障害等級 1級 ・ 2 級の子は20歳)
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加給年金が受け取れない場合も
前述の支給要件を満たしていても、加給年金を受け取れないケースがあるので覚えておきましょう。条件を満たす子どもがいないと仮定して説明します。
配偶者が老齢年金や障害年金の受給権者であるケース
配偶者が次の年金を受給できる場合、加給年金は受け取れません。
●老齢厚生年金(厚生年金または共済年金に20年以上加入していた場合)
●障害年金
例えば、夫婦共働きで、配偶者も厚生年金に20年以上加入していて年金を受け取っている場合、加給年金は受け取れません。ただし、配偶者が厚生年金または共済年金に20年以上加入していても、支給開始年齢に到達していない場合は、加給年金は支給されます。
老齢年金の繰り下げ制度を利用するケース
繰り下げ制度を利用して老齢厚生年金を受給しない場合、加給年金は支給されません。また、繰り下げても加給年金は増額されず、繰り下げて実際に受給する年齢までに配偶者が65歳になると加給年金はもらえない、など注意が必要です。
配偶者との年齢差があって加給年金を受給できる期間が長い場合、繰り下げた方が受給が不利になるケースもあります。例えば、配偶者が5歳年下で支給開始年齢を70歳に繰り下げた場合、190万円以上(≒38万8900円×5年間)の加給年金が受け取れないことになります。
給与収入が多く老齢厚生年金が支給停止されているケース
65歳を過ぎても給与収入が多い場合、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止される制度(在職老齢年金)があります。老齢厚生年金が全額支給停止になりますと、加給年金は支給されません。
加給年金は年額約39万円。厚生年金に20年以上加入するメリットは大きい
厚生年金または共済年金に20年以上加入した人は、一定要件を満たせば老齢厚生年金に加給年金が加算されます。
加給年金は年額約39万円と高額であるため、厚生年金または共済年金の加入期間が20年以上になるかどうかを意識して、加入する年金制度を見直してみましょう。
出典
日本年金機構 加給年金額と振替加算
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級