【累積収益は107兆円!】日本の「年金」はどう運用されている? GPIFについて解説

配信日: 2022.07.06

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【累積収益は107兆円!】日本の「年金」はどう運用されている? GPIFについて解説
テレビのニュースなどをきっかけに、年金の運用について関心を持つ人が増えてきたのではないでしょうか。
 
どうしても目先の運用収益が注目されがちですが、日本の年金運用は短期収益を目的にしていません。公的年金の運用は「GPIF」という厚生労働省所管の独立行政法人が担っていることをご存じでしょうか?
北川真大

執筆者:北川真大(きたがわ まさひろ)

2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種

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GPIFの運用方針

GPIFの正式名称は「年金積立金管理運用独立行政法人」です。その名の通り、年金積立金を運用している組織といわれますが、長期的な視野と堅実な運用方針を採っています。
 

未来の世代のための運用

年金積立金は、現役世代が納めた年金保険料のうち、年金の支払いに充てられなかったお金です。GPIFは年金積立金を管理し、国内外の市場に投資することで、運用しています。
 
現在の年金受給者は現役世代が納める年金保険料でまかない、現役世代が減少して財源が不足する将来に備えて運用する方針です。年金の財政計画はおおむね100年あるため、GPIFは超長期的な目線で年金積立金を運用しています。
 
数年以内の短期的な株式市場の変動で、年金制度が揺らぐことはありません。
 

運用収益は年金財政の1割しか見込まれていない

将来についても、年金積立金に過度に頼るような計画は立てていません。GPIFの運用により得られる収益は、財政計画では年金財源の1割です。おおむね100年後に、給付する年金1年分程度の積立金が残るように、積立金を運用します。
 

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これまでの運用実績

GPIFは2001年度より市場での運用を開始し、2022年度現在で21年目となります。GPIFによると、2021年12月末時点での年金積立金の運用ポートフォリオは表1の通りです。なお、数値は四捨五入しているため、各数値の合算と合計値は一致しません。
 


 
GPIFは、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式をおおむね25%ずつの割合で運用する方針です。
 
株式市場の動向に左右されるため、短期的には収益がマイナスになることはあるものの、2001年度から2021年度12月末(第3四半期)までの運用で、累積収益額は107兆6319億円の利益が出ています。このうち利子や配当の収入に限っても、累計で42兆7569億円にのぼります。
 

GPIFの運用実績に一喜一憂する必要はない

運用に絶対はないので、たまたま今まではうまくいっていただけかもしれません。ただし、運用期間中にリーマンショックや新型コロナショックがあっても、これだけの収益が出ているのも事実です。
 
また、2020年度から長期的に投資収益を拡大することを目指し、環境・社会・ガバナンスを考慮した「ESG投資」や「スチュワードシップ活動」を推進していく方針を打ち出しています。
 
年金保険料を納めている私たちも、短期的な運用実績に一喜一憂せず長期的な目線で見守る姿勢が必要ではないでしょうか。
 

出典

年金積立金管理運用独立行政法人 年金財政における積立金の役割
年金積立金管理運用独立行政法人 2021年度の運用状況
 
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種

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