更新日: 2022.07.07 国民年金

18歳となり成人に。でもできないことがあるって本当? 国民年金の納付はいつから始まる?

18歳となり成人に。でもできないことがあるって本当? 国民年金の納付はいつから始まる?
2022年4月より、成年年齢がそれまでの20歳から18歳に引き下げられました。その影響を受けるものもあれば、依然として20歳になるまでは禁止されているものがあります。
 
では、国民年金保険料の納付はどうなるのでしょうか? 
 
今回は、成年年齢の引き下げによって影響を受けるもの、そして受けないものの違いを紹介するとともに、国民年金の取り扱いについて解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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成年年齢が変わるタイミング

民法の改正によって、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。つまり、2022年1月1日の時点で18歳および19歳の人は、2022年4月1日から成年として扱われます。
 

■2022年4月1日時点で18歳以下の人が成人になるタイミング

2022年4月1日の時点ではまだ17歳の人(2004年4月2日以降に生まれた人)は、18歳の誕生日を迎えた時点で成年として扱われます。
 

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18歳になったらできること・できないこと

冒頭でもお伝えしたとおり、18歳(成年)になったらできるもの、そしてできないものがあります。
 

■成年になればできること

1. 自分の意思での契約
これまでは、親の同意がなければ「契約」はできませんでしたが、今後は携帯電話の契約やカードローンの申し込み、クレジットカードの申し込み、部屋を借りる際の賃貸契約も締結できます。
 
2. 取得できるパスポートの種類に10年が加わる
 
3.国家資格の取得
 
4. 結婚
従来では結婚可能年齢は女性が16歳以上、男性が18歳以上でしたが、この度の改正により、男女ともに18歳以上にならないと結婚できないことになりました。
 
5. 性別の取り扱いの変更(性同一性障害の人)審判を受けられる
 
ちなみに、普通自動車運転免許の取得はこれまでどおり18歳から可能です。
 

■成年になっても20歳になるまでできないこと

飲酒、喫煙、ギャンブル(競馬や競輪、オートレースなど)、養子の取得、大型・中型自動車運転免許の取得については、20歳になるまで認められません。
 
(出典:政府広報オンライン 18歳から“大人”に! 成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。)
 

国民年金の取り扱いは?

国民年金は、国民年金法に基づいて規定されています。そして、この国民年金法は民法改正の影響を受けません。そのため、国民年金の制度はこれまでどおりです。
 
20歳から60歳までの日本に住むすべての人が加入の対象となり、国民年金保険料の納付義務を有します。そのため、新たに成年となった18歳、そして19歳の人は原則として国民年金への加入はなく、国民年金保険料の納付義務も発生しません。
 
ここで注意したいのは、今後国民年金法が改正された場合です。
 
国民年金法が改正され、18歳から加入対象となった際には、18歳から国民年金保険に加入することとなり、保険料の納付義務が発生します。国民年金法が改正される話はまだ出ていませんが、今後改正される可能性がないともいえませんので、制度改正の動向に注意しておく必要はあるといえるでしょう。
 

18歳成年における注意点

2022年4月より、18歳以上の人は成人として扱われ、自分の意思で契約ができます。ただし、2022年4月1日よりも前に、親の同意を得ることなく自分の意思で締結した契約については、2022年4月1日以降も取り消し可能です。
 
さらに懸念されているのは、消費者被害の拡大です。18歳から成人としてみなされるため、自分の意思で締結した契約は未成年者取消権を行使することができず、詐欺被害などの拡大が懸念されています。
 
このような問題に備え、消費者ホットライン「188」の周知や相談窓口の充実などを行っていますが、実際の被害状況などに則した対応が、これからはいっそう求められる時代になるといえます。
 

まとめ

民法の改正によって成年年齢が18歳に引き下げられましたが、国民年金保険への加入、そして保険料の納付については、これまでどおり20歳からです。また、成年年齢が引き下げられることによってできることも増えますが、これまでどおり、20歳にならないとできないものも存在する点に注意しておきましょう。
 
ひとついえることは、現時点で18歳以上の人は成人として扱われ、その行動には社会的責任が発生するということです。これまでは未成年だからといって守られた部分もありましたが、今後はそのような保護措置はありません。
 
そのため、契約を締結する際には慎重に考え、判断することが求められます。取りあえず契約しておいて、後から解約しようなどといった甘い考えは通用しません。解約しようとしてもできない期間があったり、違約金を求められたりすることもあります。もちろん、契約書にはその旨が記載しているはずですが、きちんと理解せずに契約を締結してしまう方もいらっしゃるかもしれません。
 
成人になるからには行動に責任が伴うことを理解し、自分の身を守る手段を身に付けておくことも大切だといえるでしょう。
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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