更新日: 2022.07.07 国民年金

【ちょっぴりお得】国民年金保険料の前納制度。支払い方法とメリットとは?

【ちょっぴりお得】国民年金保険料の前納制度。支払い方法とメリットとは?
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、国民年金に加入して保険料を納めなければなりません。
 
自営業者や学生などの「第1号被保険者」の人は、自分で国民年金保険料を納付しますが、前納制度を利用すると保険料が割り引きになるメリットがあることはご存じでしょうか。
 
今回は、国民年金保険料の前納制度について、その種類や支払い方法を紹介します。
伊達寿和

執筆者:伊達寿和(だて ひさかず)

CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

会社員時代に、充実した人生を生きるには個人がお金に関する知識を持つことが重要と思いFP資格を取得。FPとして独立後はライフプランの作成と実行サポートを中心にサービスを提供。

親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、地域に根ざしたFPとして活動中。日本FP協会2017年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2018年「FP広報センター」スタッフ。
https://mitaka-fp.jp

国民年金保険料の前納制度とは

国民年金には、自営業者や学生などの「第1号被保険者」、会社員や公務員など厚生年金保険に加入する「第2号被保険者」、第2号被保険者に扶養されている配偶者の「第3号被保険者」の3つ区分があります。
 
給与天引きで保険料を納める第2号被保険者や、自身で保険料を納付する必要がない第3号被保険者と違って、第1号被保険者は自分で保険料を納付しなければなりません。
 
第1号被保険者の国民年金保険料は、令和4年度で月1万6590円となっており、納付対象月の翌月末日が納付期限です。
 
具体的には、4月の保険料は5月31日までに、5月の保険料は6月30日までに納めることになります。
 
国民年金保険料には前納制度があり、保険料をまとめて前払いすると割り引きが受けられます。前納制度を利用するには、前納専用の納付書で支払う、あるいは事前に申し込みの手続きを行う必要があります。
 

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前納のメリットは保険料の割り引き

国民年金保険料を前納すると保険料の割り引きが受けられますが、割引額はまとめて払う期間と支払い方法によって異なります。
 
前納には次の種類があります。
 

●2年前納:4月から翌々年3月までの24ヶ月分
●1年前納:4月から翌年3月までの12ヶ月分
●6ヶ月前納:4月から9月、10月から翌年3月までの各6ヶ月分

 
支払い方法には、口座振替、現金(納付書)払い、クレジットカード払いの3種類があり、口座振替にすると保険料がより安くなります。
 
令和4年度の前納額は、それぞれ次のようになります。
 

●2年前納(口座振替):38万1530円
●2年前納(現金・クレジットカード):38万2780円

 

●1年前納(口座振替):19万4910円
●1年前納(現金・クレジットカード):19万5550円

 

●6ヶ月前納(口座振替):9万8410円
●6ヶ月前納(現金・クレジットカード):9万8730円

 
2年前納の場合、2年分の保険料合計で1万5790円(口座振替)、1万4540円(現金・クレジットカード)の割り引きになります。
 
1年前納でも、4170円(口座振替)、3530円(現金・クレジットカード)の割り引きですので、いずれも保険料が安くなります。
 

前納の申込期限に注意

前納を利用するには、事前に申し込みが必要な場合がありますが、支払い方法などにより手続きが異なりますので、あらかじめ確認しておきましょう。
 
口座振替の場合は、「国民年金保険料 口座振替納付(変更)申出書 兼 国民年金保険料口座振替依頼書」に必要事項を記入し、預貯金口座を持っている金融機関の窓口、または年金事務所に提出します。
 
2年前納と1年前納は2月末、6ヶ月前納については4月分から9月分は2月末、10月分から翌年3月分は8月末が申込期限となっています。
 
クレジットカード払いの場合は、「国民年金保険料クレジットカード納付(変更)申出書」を年金事務所に提出します。
 
申込期限は口座振替と同様に、2年前納と1年前納については2月末、6ヶ月前納は2月末、および8月末です。
 
現金払いを希望する場合、2年前納については「国民年金保険料2年前納納付書発行事前受付申出書(兼納付書作成処理票)」を3月末までに年金事務所に提出します。
 
1年前納、6ヶ月前納については、4月上旬に送付される前納用の納付書を使用してください。
 
なお、口座振替とクレジットカード払いで提出が必要となる書類は、年金事務所の窓口に備え付けのものを利用するほか、日本年金機構のホームページからダウンロードすることもできます。
 

まとめ

国民年金保険料を前納すると保険料を節約することができますので、余裕がある場合はぜひ利用したい制度です。保険料が割り引きされた場合でも、もちろん将来受給できる年金額に違いはありません。
 
口座振替の方が、現金やクレジットカード払いよりも割引額が大きくなりますが、クレジットカードの場合はカードのポイントが付く場合があります。カードのポイントも含めて気になる方は、前納する期間や支払い方法ごとの割引額と合わせて、比較や確認をするといいでしょう。
 
前納を利用するには事前の申し込みが必要な場合がありますので、利用に当たっては、申込期限に遅れないように注意してください。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料

日本年金機構 国民年金前納割引制度(口座振替 前納)

日本年金機構 国民年金前納割引制度(現金払い 前納)

日本年金機構 国民年金保険料の「2年前納」制度

 
執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

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