【日本と比較】海外では「年金」を何歳からもらえる?仕組みや支払いの割合を解説!
配信日: 2022.07.22
諸外国の年金制度とどのように違うのかを知ることで、日本の年金システムについて理解を深めるきっかけにしてみてください。
執筆者:川辺拓也(かわべ たくや)
2級ファイナンシャルプランナー
日本の公的年金制度をおさらい
日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階構造で分けられています。公的年金に加入できる対象者は以下の通りです。
●国民年金:20歳以上60歳未満で国内に居住しているすべての人
●厚生年金:会社員や企業の役員、公務員など
ポイントは、20歳以上60歳未満では、国民年金は日本の居住者全員が加入対象になるという点です。国民年金は毎月決まった保険料を支払う定額制であるのに対して、厚生年金は報酬に基づいて会社と個人で保険料を半分ずつ捻出(労使折半)する仕組みとなっています。
老後の年金として受け取るためには、国民年金に最低でも10年は加入している必要があります。支給開始年齢と保険料率の詳細については、図表1に記載の通りです。
「賦課方式」とは、保険料収入を年金支給の財源に充てる方式を意味します。このように日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階構造で、老後に年金をもらうためには、最低10年は加入しておく必要があります。
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主要国の年金制度を比較
さて、海外の主要国では、年金をどのように設計し、運用しているでしょうか。図表2をご覧ください。
アメリカとフランスでは、無業者とされている人には加入資格がありません。イギリスでは所得が一定以上で加入資格を有する点が日本と異なります。日本でも支給開始年齢が段階的に引き上げられますが、他の主要国でも段階的に支給開始年齢が引き上げられる予定となっています。
受給開始を平均寿命や平均余命にあわせてスライドする国もある
また、スロバキアでは受給開始年齢が平均寿命の長さに基づいて、段階的に引き上げられる予定となっています。フィンランドでは1965年以降に生まれた人に対して、平均余命に連動した受給開始年齢が適用されています。
このように受給開始年齢を国内の平均寿命や平均余命に基づいて採択している国もあります。
海外の年金制度は日本より構造がシンプルな制度
日本では「老後2000万円不足問題」をきっかけとして、年金制度を支える財源のあり方が改めて話題に上りましたが、海外でも2008年のリーマンショック以降、各国で財源不足が問題視されています。今後、他の主要国が年金制度の持続可能性をどのような手段で改善していくのか、国内の公的年金制度の運営状況と併せて注目していきましょう。
出典
日本年金機構 国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり
厚生労働省 主要国の年金制度の国際比較
日本年金機構 主要各国の年金制度の概要
執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランナー