更新日: 2022.07.23 その他年金

個人年金保険とiDeCoの違いとは?どっちがおすすめ?

個人年金保険とiDeCoの違いとは?どっちがおすすめ?
金融庁が公表した報告書の「老後2000万円問題」が話題になり、老後の資金確保に不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。
 
人生100年時代といわれるほど平均寿命がのび、将来的に年金制度が維持できなくなるといわれる中で、自助努力による資産形成の重要性が高まっています。
 
老後の資産形成として、広く知られているのが「個人年金保険」と「iDeCo」です。どちらの制度の方がよりお得に資産形成ができるのでしょうか?
 
それぞれのメリット、デメリットを比較してみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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個人年金保険とiDeCoの違い

個人年金保険とiDeCoは、どちらも公的年金の上乗せの給付を目的とした、私的年金制度です。
 
政府が自助努力による私的年金の準備を促進するために、各種の税制優遇措置が創設され、積極的な制度活用が奨励されています。
 
これらの制度は「自分で年金をプラスする」という目的は同じですが、仕組みや税制優遇の方法が異なります。両制度のメリット、デメリットを簡単にまとめると図表1のようになります。
 
【図表1】

個人年金保険 iDeCo
メリット ・年間最大4万円の所得控除で税負担を軽減できる
・中途解約して解約返戻金を受け取れる
・運用益が非課税
・掛け金全額が所得控除
デメリット ・資産が大きく増えないので、インフレに弱い
・途中解約で元本割れのリスク
・60歳まで引き出せない
・元本割れのリスク

※筆者作成
 

個人年金保険

個人年金保険とは、契約時に決めた年齢に達するまで毎月一定額の保険料を払い込み、受給開始時期が到来すると、一定期間もしくは終身にわたって、年金を受け取れる貯蓄型の保険です。
 
銀行預金とは異なり、引き出しができず、また途中解約すると、解約返戻金が既払込保険料よりも少なくなるため、老後資金を計画的に貯めることができます。
 
所定の要件を満たすことで、年間最高で4万円まで個人年金保険料控除が受けられます。所得控除ですので、課税所得が小さくなり、結果として所得税や住民税が少なくなります。
 
一方で、運用によって資産が大きく増えるわけではありません。資産の増加幅よりもインフレが進行すれば、実質的な資産価値は目減りします。
 
外貨建ての個人年金保険を契約してインフレに備える方法もありますが、この場合は為替の影響を受けることになります。
 

iDeCo

iDeCoは個人型確定拠出年金といわれ、20歳以上60歳未満の方は誰でも任意で加入できます。
 
iDeCoでは毎月掛け金を拠出し、自分で運用方法や運用商品を選んで、掛け金を運用します。掛け金と運用益の合計額を60歳以降に受け取ることができます。
 
iDeCoは税制優遇制度であり、運用期間中に発生した運用益は非課税です。また、掛け金が全額所得控除であり、毎月の掛け金を1万円、所得税・住民税をそれぞれ10%とすると、年間2.4万円の税金が軽減されます。
 
所得税、住民税の軽減効果が大きいので、老後の資産形成に適した制度といえます。
 
受取方法は、「年金」と「一時金」の2つから選ぶことができ、年金の場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象となります。
 
ただし、掛け金は60歳まで引き出すことができません。また、あくまでも「投資」ですので、運用成績次第では、運用益がマイナスで元本割れするリスクがあります。
 

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個人年金保険とiDeCoはどっちがおすすめ?

個人年金保険とiDeCoは、どちらも老後の資産形成を目的としており、税制上の優遇が受けられますが、どちらを選択するべきでしょうか?
 
結論からいうと、個人の資産状況やリスク許容度によって、異なります。
 

個人年金保険がおすすめな人

個人年金保険がおすすめな人は堅実に資産形成をしたい人です。
 
投資と異なり高い運用益は期待できませんが、元本割れのリスクもありません。定期預金も同様に元本割れのリスクがありませんが、超低金利時代に定期預金の金利よりも高い返戻率を期待できます。
 
大幅な利益は見込めませんが、元本割れのリスクを追わずに着実に資産形成をしたい人におすすめです。また、確実に資産形成をしたい人にもおすすめです。
 
日本円で毎月保険料を支払えば、契約時に決めた金額を受け取ることができます。保険料は銀行口座から自動で引き落としされますので、半強制的に確実に資産形成を行うことが可能です。
 

iDeCoがおすすめな人

iDeCoがおすすめな人は所得が高い人です。
 
iDeCoの掛け金は全額が所得控除となり、掛け金を多く拠出するほど税金の負担を軽減できます。毎月保険料を支払うだけで節税の効果を享受できるので、所得が高い人はぜひ利用しましょう。
 
リスクを理解しつつ大きなリターンを狙いたい人にもおすすめです。
 
iDeCoは、投資信託や定期預金、保険などの商品を選んで運用します。例えば、投資信託のS&P500を選んだ場合、1926年から2021年の平均利回りは10.49%です。
 
毎年必ずこの利回りを実現できるわけではありませんが、平均的な利回りを実現できるだけで、予想を超える利益を獲得することもできます。
 
ただし、もちろん元本割れのリスクもあるので、リスクを理解しつつ、大きな利益と節税効果を狙いたい人には最適な制度でしょう。
 

自分に向いている制度で資産形成を!

個人年金保険とiDeCoはどちらも老後の資産形成を目的とした制度で、各種の税制優遇措置がとられています。
 
本記事も参考にしていただき、自分に向いている制度で、老後のための資産形成にとりくみましょう。
 

出典

国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに?
iDeCo公式サイト iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】
Investopedia What Is the Average Annual Return for the S&P 500?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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