50歳以上と50歳未満では「ねんきん定期便」の見方が変わる? 「年金受給額」の正しい考え方とは?
配信日: 2022.07.23
50歳以上と50歳未満とで変わる、ねんきん定期便と年金受給額の正しい見方について解説します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
ねんきん定期便とは
ねんきん定期便は、毎年誕生日の月にはがきの形式で送られてきます。
ねんきん定期便にはこれまでの年金の加入履歴や、将来受け取る年金額のおおよその目安などが記載されており、50歳以上であるか50歳未満であるかによって、若干内容が異なっています。
そのため、50歳以上であるか否かによって、ねんきん定期便の見方や、そこから推測できる将来の年金受給額についての考え方も異なります。
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50歳以上と50歳未満とでねんきん定期便の見方はどう変わる?
50歳以上と50歳未満、それぞれのねんきん定期便の記載内容を確認していきます。
50歳未満の方のねんきん定期便
【図表1】
出典:日本年金機構 令和4年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳未満の方
50歳未満の方のねんきん定期便には、これまでの加入実績に応じた年金額(cとj)や、これまでの年金加入期間(i)、これまでの保険料納付額(h)などが記載されており、自分の年金について現在の状況が簡単に分かるようになっています。
50歳未満の方の場合、年金受給まで時間があるため、将来の年金額が大きく変わることもあります。ねんきん定期便に記載された内容は、あくまでも現時点での数値であることを理解して、将来のライフプランを組み立てる際の参考程度に考えてください。
特に、20代や30代など若い方の場合、「これまでの加入実績に応じた年金額」にはかなり少ない金額が記載されていて驚くかも知れませんが、これは現時点での加入実績を基に算出されている数値です。今のまま年金に加入し続けたとき、将来に受け取ることが予想される年金受給額の数値ではありません。
この数値は今後年金に加入し続けていくことで増えていくためご安心ください。
50歳以上の方のねんきん定期便
50歳以上になると、ねんきん定期便の記載内容が詳しくなります。
【図表2】
出典:日本年金機構 令和4年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳以上の方
保険料納付額や年金加入期間などだけではなく、老齢年金の種類と見込額(j)が追加されるなど、将来受け取れる年金額が、より具体的な数値に近い形で記載されています。
50歳未満の場合と比較して特筆すべき変更点は、「これまでの加入実績に応じた年金額」が「老齢年金の種類と見込額」に変わることです。
「老齢年金の種類と見込額」に記載されているのは、60歳未満の方は、現在の年金加入制度に60歳まで継続して加入した場合に、65歳から受け取れると見込まれる「年金見込額」です。
60歳以上65歳未満の方は、ねんきん定期便の作成時点の年金加入実績に応じて、65歳から受け取れる年金見込額となっています。65歳以上の方においては、65歳時点での年金加入実績に基づいて計算された金額が記載されます。
このように50歳以上になると、より実際の年金受給額に近い数値が「老齢年金の種類と見込額」として、ねんきん定期便に記載されるようになります。
50歳以上になったら、早期退職など年金が関連する大きなライフイベントがない限り、ねんきん定期便に記載される年金額が将来の年金受給額と考えても、大きな問題はなさそうです。
いずれにせよ、年金受給が近づく50歳以上の方は、「老齢年金の種類と見込額」を基にして、老後のより具体的なライフプランを考える必要があります。
節目の年齢はねんきん定期便の形式がやや異なることも
35歳、45歳、59歳は、ねんきん定期便において節目の年齢とされています。
節目の年齢には封書でねんきん定期便が届き、はがき形式のねんきん定期便の内容に加え、今までの年金加入期間全ての保険料納付状況など、詳細な内容が記載されています。
節目の年において、いつもと違う形式でねんきん定期便が届いても、そのことに問題はないためご安心ください。
50歳以上と50未満とではねんきん定期便の見方が異なります。
50歳以上になると、50歳未満の場合とは異なり、より将来の年金受給額に近い見込額が記載されるようになります。
そのため、近い将来、これぐらいの年金を受けて生活することになる、といった目線でねんきん定期便を確認する必要があります。
逆に50歳未満の場合に記載される「これまでの加入実績に応じた年金額」は、将来受け取る年金額とは大きく異なるものだと知った上で確認する必要があります。
いずれにせよ、ねんきん定期便を見る際は、そこに記載されている金額が必ずしも自身の将来の年金受給額ではないことを理解し、年齢に応じた見方をするようにしましょう。
出典
日本年金機構 令和4年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳未満の方
日本年金機構 令和4年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳以上の方
日本年金機構 「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和4年度送付分)
執筆者:柘植輝
行政書士