更新日: 2022.07.28 国民年金

令和3年度の国民年金最終納付率は「78.0%」だった! 国民年金の加入・保険料納付状況について。

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

令和3年度の国民年金最終納付率は「78.0%」だった! 国民年金の加入・保険料納付状況について。
国民年金保険料は、20歳~59歳までの人が毎月納めることになっていて、給与収入を得ている人は給与から天引きされる形で国民年金保険料を納めています。
 
しかし、給与収入を得ていない自営業者などの「第1号被保険者」は自ら国民年金保険料を納めなければならず、中には年金制度への不満などを理由に、納めずに済ませたいと考える人もいます。
 
果たして、どのぐらいの第1号被保険者が国民年金保険料を納めているのでしょうか。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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最終納付率は78%だが、納めている人は全体の半分以下

2022年6月に、厚生労働省は2021年度(令和3年度)の国民年金保険料の最終納付率を発表し、78%と過去20年間で最も高い数値となりました。2021年度の最終納付率とは、2019年度(2019年4月~2020年3月)に納付しなければならなかった国民年金保険料のうち、2022年4月までに支払われた割合です。
 
具体的に、国民年金保険料の免除や猶予措置を受けていない第1号被保険者が本来支払わなければならなかった保険料(月数)のうち、支払いがあった保険料(月数)の割合を計算しています。
 
年齢別に最終納付率を見てみると、25歳~29歳が最も少なく68.98%で、25歳以上の人たちは年齢階層が上がるごとに最終納付率が上昇しています。
 
地域別に見ると最終納付率が高かったのは島根県(88.51%)、新潟県(88.36%)、富山県(87.13%)で、最終納付率が低かったのは沖縄県(69.56%)、大阪府(71.85%)、東京都(73.94%)でした。人口が多い東京都と大阪府の最終納付率が低いため、47都道府県のうち35道府県は最終納付率が平均の77.95%を超えています。
 
最終納付率は8割近くですが、この数は国民年金保険料を免除あるいは猶予されている人を除いた数値のため、「第1号被保険者」全体を見てみると納付率は5割を切ってしまいます。2021年度、国民年金保険料の全額免除や猶予を受けた人の割合は43.4%で、2020年度と比べるとこの割合は0.8ポイント増えています。
 
これには、新型コロナウイルス感染症の流行の影響もあるでしょう。日本年金機構は2020年5月より新型コロナウイルス感染症の影響で減収した人を対象とした、国民年金保険料の臨時特例免除申請の受付を行っています。
 
なお、免除や猶予の措置を受けた場合、その期間については督促が行われませんが、そのまま追納しなければ将来受け取る年金額が減ってしまいます。ちなみに、2022年度に受け取れる国民年金は月額6万4816円ですが、仮に1年間免除を受けた場合、受け取れる年金は6万3196円となってしまうのです。
 

未納者への督促を強化している

国民年金は高齢者の生活を支えるために必要な制度で、現役世代の国民がきちんと国民年金保険料を納めることが制度を維持するためには欠かせません。日本年金機構は、本来国民年金保険料を納めなければならないのに納めていない未納者に対し、督促を強化しています。
 
国民年金保険料を未納のままにしていると、最終的に財産を差し押さえられることもあるのですが、2019年度には2万590件の差し押さえがあり、2018年度と比べるとその数は14.5%も増えています。何らかの事情で国民年金保険料を納められない場合は、年金事務所の窓口に相談をして、必要に応じて免除や猶予の申請をすることになります。
 

国民年金保険料を払えない場合は免除・猶予の申請が必要

最終納付率こそ高いものの、国民年金保険料の免除・猶予を受けている人の割合も増えていて、実際に納めているのは「第1号被保険者」の半分以下です。日本年金機構は未納者に対する督促を強化していて、未納の状態にしておくと財産が差し押さえられることもあります。
 
免除や猶予を受けると将来受け取る年金額が減りますが、どうしても納められない場合は、年金事務所に相談をして、免除や猶予の申請をしましょう。
 

出典

厚生労働省令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況について~ 令和3年度の最終納付率は 78.0% ~
日本年金機構 アニュアルレポート 2017
日本年金機構 新型コロナウイルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除について
厚生労働省 日本年金機構の令和元年度業務実績の評価(案)
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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