更新日: 2022.07.29 iDeCo(確定拠出年金)

企業型確定拠出年金の資産額とは? 加入するメリットとデメリットも解説

企業型確定拠出年金の資産額とは? 加入するメリットとデメリットも解説
企業型確定拠出年金は「企業型DC」とも呼ばれており、会社員の老後収入の柱の一つとなる、重要な年金制度です。
 
企業が掛け金を拠出し、運用商品は社員が選択する形となっていますが、企業型確定拠出年金の仕組みやメリット、デメリットはあまり知られていません。
 
本記事では、企業型確定拠出年金の資産額や、メリット・デメリットを解説します。

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企業型確定拠出年金はどのくらい運用している?

企業型確定拠出年金は、社員の退職金作りや、退職後の年金作りとして活用されています。
 
社員が選択した金融商品の運用結果に応じて給付額が決定され、企業としては運用の責任を負わない点が特徴です。また、年金資産が個人ごとに区分されており、いつでも残高を確認することが可能です(多くの場合、年に1回郵送で運用結果が送られてきます)。
 
「一般社団法人生命保険協会」の調査によると、令和4年3月末現在における企業型確定拠出年金の資産額は17兆7317億円、加入者数は782万人です。
 
【図表1】

規約数 6826件
資産額 17兆7317億円
加入者数 782万人

出典:一般社団法人生命保険協会 確定拠出年金(企業型)の統計概況より筆者作成
 
規約数(前年比225件増加)も加入者数(前年比32万人増加)も増加傾向にあることから、今後も企業型確定拠出年金の規模は拡大するでしょう。
 
企業型確定拠出年金加入後に転職することになっても、確定拠出年金制度の間で資産の持ち運び(ポータビリティ)ができるので、運用がストップすることはありません。転職先に企業型確定拠出年金制度がない場合やフリーランスになる場合でも、個人型確定拠出年金(iDeCo)に移管することができます。
 

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企業型確定拠出年金に加入するメリット

企業型確定拠出年金に加入すると、企業側にも社員側にもさまざまなメリットがあるので、それぞれみていきましょう。
 

企業側のメリット

企業型確定拠出年金の運用は社員に委ねられるので、企業が運用の責任を負うことはありません。つまり、掛け金を拠出した時点で企業の負担は確定するので、積立不足に悩む必要はありません(数年前まで主流だった確定給付企業年金では、運用リスクを企業が負っていました)。
 
また、事業主掛金は全額損金算入できるので、節税効果も期待できるという経済的なメリットもあります。
 

社員側のメリット

企業型確定拠出年金の中には、社員も掛け金を拠出できる「マッチング拠出」を設けている企業もあります。
 
マッチング拠出を活用して社員が拠出した掛け金は、全額所得控除になるので、社員側にも節税効果が期待できるのです。例えば、毎月1万円(年間12万円)を拠出した場合、所得税率10%の場合は、住民税分と合わせて年間2万4000円分の節税効果が得られます。
 
また、一般的な金融商品の場合は、運用益に20.315%の税金がかかりますが、確定拠出年金の場合は運用益に税金はかかりません。
 
さらに、年金で受給する場合は公的年金等控除が、一時金で受給する場合は退職所得控除が適用されるため、税制優遇の恩恵を受けながら老後資金を作れるメリットがあります。
 

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企業型確定拠出年金に加入するデメリット

メリットが大きい企業型確定拠出年金ですが、元本保証ではない点や、原則60歳まで引き出せない点はデメリットといえます。
 
企業型確定拠出年金は社員が運用商品を選びますが、選んだ商品によってはリスクが伴います。
 
例えば、運用対象が株式となっている商品の場合、当然のことながら価格変動リスクが伴うため、想定よりも元本が増えなかったり、元本が毀損(きそん)してしまう可能性があるのです。つまり、元本保証型の商品を選ばない限りは、受給額が拠出した掛け金を下回る可能性がある点には留意しましょう。
 
また、企業型確定拠出年金は老後資金の確保を目的とした制度なので、死亡などの特別なケースを除いて、60歳まで引き出すことができません。老後資金を取り崩すことなく運用できる点は、メリットと捉えることもできますが、強い拘束を受ける点には留意が必要です。
 

出典

一般社団法人生命保険協会 確定拠出年金(企業型)の統計概況(令和4年3月末現在)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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