離婚前にチェックしよう! 「年金分割」について

配信日: 2022.08.07

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離婚前にチェックしよう! 「年金分割」について
離婚の際、財産分与や養育費などについて話し合うことは知られていますが、「年金分割」について話し合っておくことも必要なのはご存じでしょうか?
 
ここでは「年金分割」について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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どんな制度?

2人の婚姻期間中の、厚生年金支給額の基礎となる標準報酬の記録をもとに、標準報酬総額が多い方から少ない方に対して一部を分割し、将来の受給年金額を調整する制度です。
 
分割方法には「合意分割」「第3号分割」があります。自営業者など、夫婦ともに「国民年金」の加入記録だけの場合は、年金分割の対象外です。
 

「合意分割」とは?

2人からの請求により年金を分割する方法で、分割割合は2人の合意、または裁判手続きによって決まった割合となります。分割割合は自由に決められず、法で定める範囲内になるように決めます。それぞれ50%が一般的です。
 

「第3号分割」とは?

専業主婦(主夫)の方など「国民年金第3号被保険者」であった方からの請求により、年金を分割する方法です。年金の分割割合は、2分の1ずつとなります。
 

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メリット・デメリットは?

例えば、以下のようなものもあります。

<メリット>

・合意分割・第3号分割によって、将来の年金受取額が増える場合もあります(逆に、減ってしまうこともあります)。
・婚姻期間中の記録を分割するので、離婚後に再婚しても「年金分割」で再婚前に決定した年金額は維持されます。

ただし、3号分割を行った同じ相手と離婚・再婚を繰り返した場合には原則として、離婚後から2年経過した婚姻期間については請求できません。
 

<デメリット>

・請求期限があり、離婚等をした翌日から起算して「2年以内」に請求が必要です。また、離婚などが成立した後に相手が死亡した場合は、死亡した日から起算して「1ヶ月以内」に請求が必要です。

請求期限の特例もありますので、詳しくは年金事務所にお問い合わせください。
 

手続き方法について

年金分割の請求は、離婚後に年金事務所、または年金相談センターに所定の書類を提出する必要があります。請求手続きの流れには、以下のような例もあります。
 

1.請求手続きに共通して必要な書類を用意する

・基礎年金番号が分かる、年金手帳などと、マイナンバーカード(通知カード)
・婚姻期間を明らかにできる書類(6ヶ月以内に発行された戸籍謄本・住民票などの原本)
 

2.離婚の前後に「情報通知書」を請求する

お互いの年金記録を確認するための「年金分割のための情報提供請求書」を年金事務所に提出して、「情報通知書」を受け取ります。「情報通知書」には、請求者・請求された者の「年金加入期間」「分割対象期間」などが記載されています。
 
なお、通知書の発行には1ヶ月程度かかります。離婚前には「請求した側だけに通知」、離婚後には「元配偶者と請求者に通知」されるので、思わぬトラブルにならないよう、事前に取得しておくのもよいでしょう。
 

3.お互いの話し合い

「年金分割をすること」「分割割合」をお互いに合意する必要があります(3号分割のみ請求する場合は、2人の合意は必要ありません)。
 
話し合いで分割割合などに合意したら、その内容を証明する書類(公正証書など)を用意します。合意できなかった場合には、一方が家庭裁判所に審判手続きなどを申し立てて、割合を定めることができます。
 

4.年金分割の請求

離婚後に、当事者双方、または一方が「標準報酬改定請求書」と分割割合などを明らかにした書類(公正証書など)を添付して、年金事務所に提出します。
 

5.「標準報酬改定通知書」を受け取る

日本年金機構から、それぞれに「標準改定通知書」が通知されます。共済加入期間がある場合には、共済組合などからも通知されます。
 

老後のことを考え、離婚の際には年金分割について忘れずに話し合おう

年金分割は、離婚後に年金事務所に申請しないと適用されません。
 
「年金分割のための情報提供通知書」がないと、「年金分割できるのか」ということも分かりません。将来の生活で困らないように、「年金分割」が可能なら、申請手続きすることをおすすめします。
 
手続きには申請書類などを用意する手間と、通知が届くまでの時間がかかるため、専門家に相談するのもよいでしょう。
 

出典

法務省 年金分割
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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